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とあるカップルの日常

「だーかーらーポテチってサラダの仲間っしょ」
なにがだからなのかわからなさ過ぎて頭が痛い。
「ジャガイモって野菜じゃん?」
うわっ正論言ってます感出してきやがった。
「それを揚げただけでなんでお菓子扱いになるんよ。可哀想じゃん」
別に何扱いでもいい。体にあんまり良くないって言っただけなのに。それに可哀想ってなんだよ。
「だから今日も健康の為に俺はポテチ食ってんのね。偉い」
…閉口。

こんな感じでいつも私と律は合わない。
律はいつも子供じみた事を言っていて、私としてはもっとしっかりしてほしいっていうか、いやしっかりしてほしい。
っていうかはいらない。
なし崩し的に同棲を始めてもう一年が経とうとしている。
こんなんじゃいけないと思いすぎるのは私の悪い癖なんだろうか?いやすぎてない。こんなのじゃいけないのだ。
律は働いていないし、家事もしないし、するのはエッチだけだ。私はただキチンとして欲しいだけなのに、そのキチンが遠すぎて心の距離まで遠くなりそうだ。
「ねぇ、知ってる?今美緒すんげー怖い顔してんのね。俺、美緒のその顔嫌いだなー」
「じゃあ怒らせる様な事言わないでよ」
「えー言ってないし。すぐプンプンすんのな美緒」
「律の態度がムカつくの」
「じゃあ俺もムカつくね」
「えっ私の何にムカつくのよ」
「たーいーどー」きゃはははは。
そう言って笑ってる律を見てもう限界だなとわかった。
「ごめん律。もう無理だわ限界、うん」
「ムズい話するん?」
「いや簡単な話。この家から出ていってよ」
「ムズい話じゃん」
「いや、めっちゃ簡単な話だわ」
「違うよ。出ていくのがムズいって話」
イライライライラ。エアコンついてんのに暑い。ムカついてるからだ。あーイライラする。飲みたい。
冷蔵庫の中にビールがあるかを考える。とその時、
「ほーい、ビール飲んで落ち着こっ」
めっちゃ笑顔でビールを持ってくる律のその顔とタイミングで、今日も出て行かすのは諦めざるをえない。
「もーズルいよ律はー」
「ビールはね美緒のポーションなんね」
そう言いながら笑う律を見て、私も笑ってた。
そうだよね。一人じゃ笑えないし、まあ仕方ないか。
下らなくてどうしようもない日々もいい思い出になると思い私はこれからもこうやってグダグダと律と一緒に過ごすのだろう。
「ねえ、知ってた?ピザはサラダなんよ」

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