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まさかの右手首骨折、ピアノは?

もうここまでくると、ネタにして笑い飛ばしてほしい。東京にまとまった雪が降った翌日の朝、前日の夜に、雪かきまでした家の前の道で転倒して右手首を骨折したのだ。

左手にハンディのある私が、片手でピアノ演奏をすることにどこか割り切れなさを感じながらも、左手のピアノ国際コンクールに右手一本の演奏で参加したのがつい3週間前。ワンハンドで奏でる音楽やワンハンドピアニストさんの想いのこもった演奏のおかげで、かたくなに執着していた両手演奏から、右手のみで演奏する自分を認めて前に進んでいきたいと思った矢先、その大事な右手首を骨折してしまったのだ。


凍結した坂道に一歩踏み出した瞬間、後ろに転倒して全体重を右手で支えてしまった。おかげで腰も頭も打たなかったけれど、骨はポッキリ。さらに悪いことに折れた骨が後ろに大きくずれてしまった。レントゲンを見た先生は「これは、結構重症。整復を試してみるけれど、ダメだったら手術かも」と。レントゲン下で思い切りグイグイと骨をもとの位置に近いところまで戻してくれた。局所麻酔はしたもののおもわず「イターッ」とうめき声が出てしまった。

「90%元に戻ったからこれで固定して様子をみましょう。またずれてしまうようなら手術ですが、手術したところで100%元にもどることはないです。」と。日常生活はおおむね問題ないところまで回復するようだけれど、ピアノを今まで通りに弾けるのだろうか。オクターブ連打や速いパッセージを今までと同じに弾けるのだろうか。手首の柔軟性が落ちてしまわないだろうか。「ピアノ?趣味ですよね?仕方ないですね。」のひとこと。どこまでピアノの神様に嫌われているんだろうかとショックを超えて、その場は笑って「そうですよね~」と言うしかなかった。

今は右手は全く使えず、左手もあまり頼りにならず、着替えも食事も家族だのみだ。もし、一人暮らしだったら、買ってきたお弁当も開けることもできずただ眺めてるだけだろう。骨折の痛みはロキソニンで和らぐけれど、今はじわじわと心の痛みが湧いてきている。今年こそは前を向いて自分のピアノに自信をもって、音楽を楽しんでいけるのではと期待の年明けだったので、今はまだ呆然としている。

諦めたらおしまいだ。というけれど、スパッと諦められたらどんなに楽だろう。ピアノには永遠に片思いなんだろう。それでももう一度弾きたい。また振り出しに戻った気分、、、。


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