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ヘテロゲニア・リンギスティコに見るわかりあう願い

代表がnoteを頑張って書いてくれたので、僕も何かやろうかなぁと思って筆を取りました。お久しぶりです、井上です。株式会社ミラティブで人事採用をしています。

今日は僕が好きな漫画のお話です。全然真面目な内容でなくてごめんなさい!

それと、カバー写真はオフィス近くにある「フィッツロイ」さんのコーヒーです。美味しいので唐突にオススメしておきます。
FITZROY
https://maps.app.goo.gl/LzgcjKLhfQNxELG16

どんな漫画か

タイトルにある珍妙な横文字がその名前なのです。サブタイトルまで含めると「ヘテロゲニア・リンギスティコ~異種族言語学入門~」と言います。

〇〇な俺が〇〇な件について、みたいなわかりやすいタイトルの作品が好まれる中で、この感性には驚かされました。が、独特なのは作品の中身も同じです。

概要=異種族文化圏をいく、変わり種探検記

ヘテロゲニア=異種族
リンギスティコ=言語学

ファンタジーに慣れ親しんだ世代なら、異種族と言って思い浮かべるような大体のものたちがこの作品には出てきます。ワーウルフだとか、ラミアのようなヘビ型亜人や、グリフォンなどなど。

この作品ではそれらの魔物が、人間と生活圏を隔ててはいますが、独自の文化を持って生息しています(そしてそれも公然の事実です)。ひょんなことから、主人公は魔物の文化圏を調査しにいくことになるのですが。。

言葉の通じない相手

相手の言葉がわからない、という壁にぶつかります。日本語が通じない中、主人公はつたないワーウルフ語を駆使していろんな魔物たちとコミュニケーションを取っていきます。

ワーウルフ語が理解できれば、ワーウルフとはきちんと喋る事が出来るし聞き取れもします。ボディランゲージ(親愛の証をなめあって示す)も何とかこなします。
そんな中、主人公がふと零した言葉が頭に残っています。

正直来る前は怖かった
でも意思疎通の出来るワーウルフは恐ろしくない
 
怖さの源は意思疎通出来ない事だったのかもしれない

私達が期待するわかりあいとは

話は少し飛躍するかもしれませんが
「お互いのことをわかっている」とはどのような状態を指すのでしょうか。

結論から言えば、僕は「そんなもの時と場合による」という便利な表現にしかならないと思っています。

「わかっている」という目標に達しているためには、それらしい期待が設定されているとき、その基準を満たすように「わかって」いればいいのではないかなと。

ヘテロゲニア・リンギスティコ。本書には本当に色んな異種族が登場します。
声を発するコミュニケーションだけではなく、感覚器の進化に応じて、身振り手振りから音、模様、果ては振動に至るまで、必要なだけのコミュニケーションが必要となります。

その多様なコミュニケーションに、多様なシーンで立ち向かっていく主人公がとても頼もしい。ふと、「わかりあう願いをつなぐ個人」を体現したとても力強い存在に見えて、いつも応援しています。

コミュニケーション=願い それをつなぐということ

話を戻して
未知のコミュニケーションや話題、価値観がとても恐ろしいものに見えるというのは、多くの人にとって共感できると思います。

何かしらの未知のコミュニケーションが存在するとき、その根底に「願い」があると理解して、最初からわかりあえるよう振る舞う事は、殆どの人にとってストレスフルであるはずです。

誰もが主人公のようには行きません。
けれどわかりあえない中で、少しでも同じ方向を向き、お互いが助け合うことができたら、どんなに心地良いか。そして、それを続ける事がどれだけ難しいかを(と同時に、無理をして続ける必要もないという事ですら)、本書はなんとなーーーーく語っている気がします。

各話にそれぞれテーマがあるような形式なので途中からでも読みやすい良書です。
ぜひ一度お手にとって読んでください!

ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (1) (角川コミックス・エース) https://www.amazon.co.jp/dp/404107620X/ref=cm_sw_r_tw_apa_i_lCt1Db8EXQ9NT

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