猫のおみやげ
猫を飼っていると、たまにねずみやトカゲを持ってきてくれる。
しかも、微妙に生きてたりするものだから、慌てて捕まえて外に放り出したりするものだ。
「猫の恩返し」「猫からのプレゼント」などと呼ばれるこの行動の理由には諸説あるようだが、母猫が子猫にするように、「弱らせた獲物を与えて狩の練習をさせようとしている」というのが有力らしい。
よく耳にする猫トリビアの1つである。
猫トリビアと言えば、「成猫で鳴くのはペットだけ、大人の野良猫は基本的に鳴かない」なんていうのも聞く。
猫が鳴くのは基本的に子猫が母猫になにかをねだる時だそうで、普通は大人になるとめったに鳴くことはないという。
しかし、多くの人間は猫のジェスチャーなどを理解せず、鳴き声を上げないとなかなか反応しないため、飼われた猫は人間用のサインとして「鳴く」ことが必要になるのだとか。
この2つのトリビアを併せて考えてみよう。
人はしばしば猫に呼びかけるとき、猫の鳴き真似をしたりする。
猫にとって鳴く行為は基本的に母猫に対する餌などのおねだりであるため、猫は「飼い主から食べ物を要求されている」と解釈すると推測できる。
「なんだこいつ、でかい図体してネズミも捕れないのか?
仕方ない、ちょっと練習させてやろう」
なんて思うかどうかは知らないが、飼い主の要望に応えようと、がんばって獲物を探し、殺さない程度にうまく手加減して捕らえ、持ってくるわけだ。
ところがどういう訳だ?
飼い主は眉をしかめ、せっかくの獲物を摘み上げて外に放り出すのだ!
その上、なぜか、お仕置きまでされたりする!
にゃんという不条理だろうか!!
残念ながらソースとして提示できそうな猫へのインタビュー記事は確認できなかったため、真偽のほどは定かではない。
ただ、もしこういったことがしばしば起こっているとしたら、猫にとってはたいへん不愉快な状況ではないだろうか?
とはいえ、躾の関係上、ネズミの持込を褒めるのもまずそうだし、対応が難しいところだ。
いくつかのサイトを覗いてみたところ、「軽く褒める(大げさに褒めない)」、そしてこっそり処分して、代わりにおもちゃを与える、という対処法が多い様子。
今回の私の推測に基づいて、飼い主が「猫の鳴き真似を止める」というのは効果はあるのだろうか?
今後また猫を飼う機会があれば試してみようと思う。
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