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逆膣トレ2

〇月x日日曜日

今日も書きにこれた。よかったぜ。

最近は俺も夢子も意識が30分ともたない。3分もたないときもある。集中力が欠如しているんだ……。

そんな状況をよくしようと、我々は「逆膣トレ」に取り組んでいる。

このトレーニングはIsa Herrera 『Ending Female Pain』という本に載っていたものだ。腹部の慢性的な痛み(女性科疾患などから)や性交痛のある女性がペイン・フリーな生活を送るための方法が様々紹介されている。

俺たちは2月初めからこのトレーニングに取り組んでいるんだが、その第一歩がQ-tipテストだ。

Q-tipとは英語で綿棒のことで、ここでは外性器を自分で見、綿棒で触り、どこが痛いか確認するセルフチェックを行う。

夢子は気がすすまないようだった。

「俺ら去年の11月から毎日微熱が続いているし痛みもひどい。最近では痛み止めの座薬50mgを一日4本使っても効かない状況だ。なにかやってかないといけないだろ?」

俺がそう叱咤すると、

「もちろんだよ! 今日はQ-tipテストやろう。うん絶対。」

しかし、本の指示どおりに鏡と潤滑剤を用意し、あとは見て触るだけ、というところから夢子はベッドの上、動けなくなっている。

「なんか……怖い。」

「はあ? 綿棒でささっとさわるぐらいなんでもないだろ」

「私もそう思うよ。重々そう思うさ。けどさ、なんか、なんか、すごく、心が重い! なんなんだろう? けど、やるよ? 私やるよ」

そう言ってショーツを脱ぎ、鏡を前にした。

我々はまず予想した以上に【自分の女性器を見る】にてこずった。

体の持ち主である夢子だが、自身の股の間にある性器をみようとすると、鏡を駆使しても首と腰が痛いらしい。

「なんで……グギギg……女性器ってこんな……イデデデ……見づらいとこにあんの!?」

夢子の体は硬かった。ぜいぜいしながら鏡と体、そして照明をちょうどよい位置に調整していく。

よしできた! あとは綿棒で、小陰唇の内側にあるHart's Lineという箇所をなぞるだけだ! 

しかしここで大問題が勃発。鏡を右手、綿棒を左手で持つ。すると小陰唇を開くための手が足りない。

「はああああ......、もうやめてもいいかなあ?」

正直驚いた。俺も夢子とは長い付き合いだが、こいつが何かを途中で「やめよう」と言い出すことは、これまでに一度もない。それほどに猪突猛進型の奴なのに。

「本に書いてあっただろ。『己を知らずしてどうやって痛みを克服することなんてできない』。このセルチェックはExtremely importantで週一回は行えとあるじゃないか」

「ひぃぃぃぃ……」

半泣きで鏡をクッションや枕に乗せ、あいた手で小陰唇をそっと開く。なお、両手には手袋が装着してある。

本に書いてあるとおり、綿棒を小陰唇内部を潤滑剤を塗布する。

ここで潤滑剤がシーツにポトリと落ち、シミができた。

余計にテンションが下がる。

綿棒でそっとHart's Line をなぞったわけだが……なんたることだろう。これだけで、痛いのだ。

「なんで!?」

首、腰、ガッチガチに緊張させて頑張りはしたが、潤滑剤を付けた綿棒でちょんと触るだけで痛いときた日にゃ、俺も

「いよいよこいつぁーー終わりか?」

と心配になったよな!


あああああ、時間だ。

さようならだ。

ちなみに以下は、Q-tipテストのときの夢子の表情。


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