見出し画像

白鵬が日本国籍取得。モンゴルの声は?

誰もが知る横綱、白鵬ですが、2019年9月に日本国籍取得が許可されましたね。

日本国籍を持つものじゃないと親方になれないので、日本国籍を選ぶことは相撲協会に残るためには苦渋の決断だと思います。

というのも、日本国籍取得=モンゴルを捨てる、というイメージを持つ人がたくさんいるからです

つい先日、白鵬が日本のパスポートを取得したというニュースが流れてきましたね。このニュースがモンゴルのニュースサイトでも記事になってました。コメント欄が荒れそうにおいがプンプンする。

さて、見ていきましょうか…

彼のパスポートには、彼の本名 ムンフバティーン・ダワージャルガルの名はなく。(モンゴル人には名字がなく、お父さんの名前が名字になりますので、ムンフバトさんのダワージャルガル、となります。)

しこ名である白鵬 翔が彼の本名となりました。

彼の父、ムンフバトさんはモンゴルではとても有名な偉大な方。

モンゴル相撲で五年連続優勝を果たした横綱で、

メキシコ五輪ではレスリングで銀メダルを獲得(モンゴル初のメダル獲得者)した素晴らしい人。

その偉大な父親の名前が、白鵬の名前から消えたことに

モンゴル人たちは憤りを隠せません。

父親の名前を消すなんて、なんてばかなやつだ。

モンゴルを捨てて日本に染まった男だ、誇りもクソもないのか。

ダワージャルガルには失望した。

朝青龍のように横綱になってもなお日本に染まらずモンゴルに

貢献してくれる存在になれなかったのか、と…アンチコメントの嵐。


私はそうは思いません。

彼は日本国籍を取得しましたがモンゴル人です。

母国に貢献する、れっきとした立派なモンゴル人です。

紙の上の情報だけで売国奴だとか裏切り者だとか判断するのは軽率すぎます。

物事の本質を見ていません。

彼は相撲を通して日本人にモンゴルを広めてきたし、

日本で横綱としての役目を全うし数々の歴史を作ってきました。

彼は日本国籍を取得し、日本で親方として活躍していくでしょう。

でも彼の心の故郷はきっと、ずっとモンゴルです。

モンゴルに生まれ育ったことを誇りに思うでしょう。


良い記事を見つけたので紹介します。

"モンゴル国を自分の母国だと思う人間こそモンゴル人である"

という記事です。

簡単にまとめてみました。

・国籍がモンゴルでなければモンゴル人じゃないのか?

・モンゴル人の親がアメリカで子どもを産み、生まれた子供の国籍がアメリカになったらその子は何人?

・もしその子がモンゴル人ではないのなら、ロシアのブリヤート族(モンゴル系民族)や中国内モンゴル自治区の内モンゴル人は何人?

・外国で仕事をして別の国籍を取ったがモンゴルを恋しく思って帰ってくる人間はモンゴル人じゃないのか?

・ヘブライ人を例にとると、1948年にイスラエルが誕生したがイスラエルに移り住まず他の地で生活を続けているヘブライ人もたくさんいる

・彼らの国籍はイスラエルではないけれど、彼らはれっきとしたヘブライ人である。

・それは国籍の問題ではない、自分がどの"民族"であるかというアイデンティティの問題である

どの国の国籍を取得しようと、うまれた国を恋しく思い、自分を母国の一部だと思うことをはく奪する権利なんて誰にもない

Гэхдээ аль нэг улсын иргэн боллоо гээд төрөлх нутгаа санах, эх орныхоо нэг хэсэг гэж өөрийгөө бодохыг хориглох эрх хэнд ч байхгүй.


言いたいことはすべて上の一文につまっています。

私はモンゴル人の親を持つわけでも、モンゴルで育ったわけでも

なんでもありませんが、大学でモンゴルに触れモンゴルに留学しモンゴルを学び

モンゴル人と沢山かかわって、モンゴルは私の一部になりました。

私は日本国籍の日本人ですが、モンゴルを第二の母国だと恋しく思います。

「お前はモンゴルを母国だと思う資格はない」なんて誰にも言わせません

紙や書類や肌の色や話す言語で決められるほど簡単な問題じゃないのです。

これからも白鵬はモンゴル人であり日本人であり、偉大な横綱です!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?