合唱曲の底には無限の歴史が昇華している
合唱曲が好きだ。多分これは元々は反動形成だ。好きな合唱曲はほぼ全て「歌えなかった歌」だからだ。加えて、私の声を聞いたことがある人は何となく察しがつくかもしれないが、私の「声」、取り分け歌声とかの「張り上げた声」は強く響いてしまって、調和が重視される合唱とはとってもとっても相性が悪い。だから私は主に合唱の場においてとにかく扱いづらい人間だった。だから決して合唱の思い出が輝かしかったから、合唱が好きだという訳ではない。「合唱」というものとの断絶が、むしろ合唱を愛おしくさせるのだ。