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ざっかんーじきなおはやー

緊急事態であることが宣言されてから2週間経ったらしい。 私は緊急事態宣言をバイト先である歯医者さんの受付から、待合室で流しているテレビの音で聞いていた。それが宣言されてから、「予約を延期したい」「キャンセルしたい」という電話がひっきりなしに鳴り続けるようになったし、今ではこちらから当面の『不要不急の』処置の患者さんへ予約の延期をお願いしているような状況である。受付には患者さんと直接対面しないようにビニールの幕が張られたし、保険証やお金の授受は絶対に手渡しでやってはいけないと

    • ポカポカ陽気にゃ〜、眠くなる〜

      春の陽気には人を殺せる毒がある。これはもう何年も前から言っている気がする。 要するにカッコつけて言えば季節性メランコリーってやつだ。SADという言い方もあるらしいよ。 春はなんだか心の隙間が大きくなる気がして嫌いだ。物理的にデカい穴が身体に空くような感覚がする。身体は重いのにどうしようもない焦燥感に襲われて時間だけが無為に過ぎていって死にたい。 だいたい、春の陽気が想起させるものが環境の変化なのがこの重めの鬱を加速させているような気がする。別れたくない人と離れてしまうし

      • ノノノノ・ノンバーバル

        人生にはたまにシャレにならないことが起きる。皆さんの中にも、命に関わるような、もしくは関わらなくても今後の人生にずっとずっとずっと影響し続けるような、大きな手術を受けたことがある人もいるのではないだろうか。他にも、あと数センチ右側を歩いていたらすぐ横のプリウスに撥ねられていた、とか。あと数秒踏ん張りに耐えられていなかったら、急な坂道を頭から転がり落ちていた、とか。そういう臨死体験みたいなのをしたことがある人もいるのではないか。 だいたい私の同年代はもう20代くらいしかいない

        • オモネリハルコン

          私は中学2年生の時、生徒会役員に立候補した。理由はただ1つ。学級委員になれないことは分かりきっていたが、権力が欲しかったからだ。 学級委員って陽キャがなるものだし、私はもちろん陰キャだ。あと同じクラスにいた幼馴染である友人が、生まれながらのリーダー、学級委員の擬人化みたいな奴だったのでもはや勝ち目がなかった。私の下準備はそいつが生徒会に立候補しようとするのをやんわり阻止すること。 私の中学の生徒会は1年生の夏休み明けから立候補でき、1年生の夏休み明けに立候補した意識高い2

        ざっかんーじきなおはやー

          スンナウィルビダンナウィドゥディ

          中学時代の「合唱」の記憶はだいたい、ないものねだりと思い出補正でコーティングされている。 それに対して、高校時代の「合唱」の記憶は、とにかく「大変だった……」という記憶が主となってくる。 よく言っている気がするけれど、私の声は張り上げると「金管楽器みたいだ」と言われるような声で、何でだか裏声っぽい裏声が出せない。地声で歌っているような形になるので、非常に合唱で浮いてしまう。中学ではそれで疎ましがられたものだ。 だが高校になると、話がやや変わってきた。私の高校の合唱は、全

          スンナウィルビダンナウィドゥディ

          合唱曲の底には無限の歴史が昇華している

          合唱曲が好きだ。多分これは元々は反動形成だ。好きな合唱曲はほぼ全て「歌えなかった歌」だからだ。加えて、私の声を聞いたことがある人は何となく察しがつくかもしれないが、私の「声」、取り分け歌声とかの「張り上げた声」は強く響いてしまって、調和が重視される合唱とはとってもとっても相性が悪い。だから私は主に合唱の場においてとにかく扱いづらい人間だった。だから決して合唱の思い出が輝かしかったから、合唱が好きだという訳ではない。「合唱」というものとの断絶が、むしろ合唱を愛おしくさせるのだ。

          合唱曲の底には無限の歴史が昇華している

          『くるくるっ、たーん』

          指を『くるくるっ』とやって、手を開いて空で『たーん』と跳ねる。 何となく、私の普段の挙動を思い出すと思い当たる人が居るような気がする。 そういう"奇行"は『くるくるっ、たーん』だけじゃない。 頭をゆらゆら揺らしたり、視線をきょろきょろ巡らせたり、口元をもごもご動かしていたり、頭を掻き毟ったりしている。 私のそういった"奇行"は何となく、気づいた人に「なんか変」という印象を与えがちだ。喋っていても喋っていなくてもなんかばたばただばだば動いていて、洗練されていない、スマートじゃ

          『くるくるっ、たーん』

          国立ラプソディ

          中野区じゃない方の東中野で何かするには少し虫が多い。 だから定期券外の立川駅へ、102円かけて繰り出して 136円を追加課金して憧れの銀杏シティーに降り立っている。 国立の道は全て真っ直ぐで、中学と高校の修学旅行で行った京都よりも坂が少なくて歩きやすいし、 国立ノスタルジーがフル稼働して、たかがロイホさえ推せる気がする。 中学の時だいぶ背伸びして恐る恐る入った文具店は今じゃ当たり前のように入ってルーズリーフを買い足せる場所になってしまったが、 中学の時『海と毒薬』

          国立ラプソディ