見出し画像

なんでコンテンツで蔵を建てないの?

日本のポップカルチャーが世界を席巻している。
いまや若い外国人にとって日本と言えば、“SUSHI”,“FUJIYAMA”,“GEISHA”ではなく、“TOYOTA”“SONY””CANON”でもないのだ。”MANGA”や“OTAKU”が共通言語になりつつある。アメリカでもヨーロッパでも、そしてアジアでも、ジャパニメーションが今一番イケてるのだ。海外で日本のポップカルチャーを目にすると、素直に嬉しくなり、そして誇らしく感じる。新しい分野でも日本はまだ世界の先頭に居られるのだと思ってしまう。国もこの新たなる産業として本腰を入れて支援をしている。いよいよコンテンツ業界がビジネスシーンのメインステージに躍り出るのだ!

…と、本気で思っていたのだが。これだけ世界で股をかけて拡大・成長しているのに、まだコンテンツ成金のような成功者が出ていないのだ。当事者がいまいちこのビジネスチャンスのとらえられていないのか、それとも上手くビジネスを回せていないのか。というよりそもそもコンテンツで金儲けをしようとする意識がないのかもしれない。

この業界の近くにいたころ、コンテンツ・作品に対する思い入れ、愛が溢れてしまいビジネスに徹せない方々・会社を多く見た。皆さんは、自分の作品が拡大・発展することよりも好きな人だけに楽しんでもらいたいという思いとその好きな人達だけに答えようとしてしまう。自分の作品が拡大して金を生む状態になるともう自分のモノではない感覚になってしまうのだ。

本当に気持ちは解る。大好きだからこそ、いい作品が生まれるのも事実。でもそれでは蔵は建たない。蔵を建ててビジネスにしないと産業自体そして人材もネットワークも拡大・成長しない。このポップカルチャーをしっかりと文化として根づかせるには、やはりビジネスとしての成功例が続かなければならないだろうと思う。

大切な作品なのは解ります。でも多くのクリエーターの明日を考えると、ここはビジネスに徹してほしい。蔵を建てましょうよ、コンテンツで。さもないと、あっという間にビジネスライク全面の海外企業がマーケットを飲み込みに攻めてきますよ。

と、こんなことを思っていたら、日本最大のコンテンツBtoBイベントの運営を携わることに。世界と日本の今を少し垣間見れるかもしれない。