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HSPは「5人に1人」という本当の意味【エンパス人生向上計画】

前回から、引き続き、HSPとエンパスについての基本的な話から、今回もHSPについて、世間で少し誤解が広まっている内容について、お話しします。
なお、過去の投稿と少しダブる内容もありますが、ご了解ください。

一般的にHSPは5人に1人といわれています。しかし、世の中の5分の1の人がHSPで、その他5分の4の人は非HSPという考え方は、正確ではありません。

後のレクチャーでも説明しますが、人の性格特性はHSPか、HSPではないか、といったような二元論で語れるものではありません。さらに感受性の高さは、感受性の高いHSPと感受性の低いその他の人、というふうに分かれているわけでもありません。

イタリアの経済学者ビルフレッド・パレートが発見した、パレートの法則といわれる「80:20の法則」を知っている人は、世の中の20%がHSPで、残り80%が非HSPなどと考えてしまいがちですが、これは間違いです。

まだ「働きアリの法則」といわれる「2:6:2の法則」のほうが人の感受性の割合を表すのに、近いかもしれません。

基本的には、誰もがある程度の敏感さ、感受性を持っています。ただ、その程度が違うのです。

飯村先生やマイケル・プルース博士らの研究によると、感覚処理感受性のばらつき、また環境感受性のばらつきは、正規分布しています。

正規分布とは、次の図のようなグラフです。

感受性の分布

つまりHSPは5人に1人という意味は、ザックリいうと世の中の15〜20%の人が感覚処理感受性の高い人、60〜70%が平均的な感受性の人、残り15〜20%が感受性の低い人というような意味です。

感覚処理感受性は、感覚刺激の受け取りやすさや、注意や警戒の個人差を表しています。

感覚処理感受性は、1990年代後半にHSP提唱者のエレイン・アーロン博士と夫のアーサー・アーロン博士によって、パーソナリティ心理学の分野で提唱されました。

感受性について

またアーロン博士らが感覚処理感受性を提唱したのと、ほぼ同時期の1990年代後半、発達心理学者の分野では、ジェイ・ベルスキー博士によって差次感受性という概念が提唱されました。ジェイ・ベルスキー博士は、感受性の高い子供たちが、良い環境と悪い環境、特に母子関係などから、良くも悪くも影響を受けるということを発見し、これを差次感受性と呼びました。

その後、2010年代後半にイギリスの発達心理学者マイケル・プルース博士らによって、感覚処理感受性、差次感受性、2005年に提唱された生物感受性を統合した環境感受性が提唱されました。環境感受性とは、一言で言うと、環境からの刺激に対する感受性のことです。

マイケル・プルース博士らの研究では環境感受性の分布について、30%の人が環境感受性の高い人、40%が平均的な感受性の人、30%が感受性の低い人としています。

次回は感受性とDOESについてお話しします。

今回の内容をYouTubeのスライド動画でご覧になりたいかたは、こちら。


Stand FMで音声だけ聴きたいかたは、こちら。


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