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M|A|R|R|S ‎「 Pump Up The Volume」③

トラブルを抱えながらも楽曲は完成した。87年7月に、クレジットなしの白盤がプレスされディスコやクラブのDJに配布されプレイされた。現場での反応は上々だったようだ。

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(Discogsより)

それを受けて同年8月24日に〈4AD〉から12インチ・シングルがついにリリースされた。その後、Remix Versionをショート・エディットした7インチ・シングルがリリースされラジオのオン・エアがスタートした。大反響だったらしい。

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(Discogsより)

レコードがリリースされるやいなや翌週にはUKポップ・チャート35位となった。大ヒットだ。そして、チャート・アクションがうなぎ上りだった1ヶ月後にRemix Versionが12インチ・シングルでリリースされた。その後、1988年2月にはUKポップ・チャートの1位を獲得してしまう(このレコードより先にリリースされたEric B & Rakim/I Know You Got Soul( Seven Minutes Of Madness - The Coldcut Mix)も87年11月には15位となった)。しかも、そのヒットはイギリスだけではなくヨーロッパも含め世界規模となった。カナダ、オランダ、ニュージーランドでポップ・チャートを制し他の国でもトップ10に入った。

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(Discogsより)

ヴォーカルがいないインストのダンス・トラックがポップ・チャートに入ったのだ。しかも、サンプリングを大胆に使い様々な楽曲をメガミックスよろしくミックスした楽曲が。昔馴染みのポップ・ミュージック愛好家には理解できなかっただろう。しかし、ティーンネイジャー達には歓迎されたはずだ。この大ヒットはそれを物語っている。

街角レベルで人気沸騰していたDJによるレアグルーヴ・ブームやメガミックス・レコード、もっと言うとヒップ・ホップ、ハウス・ミュージックが、この楽曲によって英国やヨーロッパのポップ・マーケットに紹介されたのだ。

しかし、この大ヒットをよしとしないアーティストがいた。続く、、、。

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