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RAMMELLZEE VS K-ROB / Beat Bop

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1983年に自主レーベル〈Tartown〉からリリースされた、グラフィティー・アーティストのラメルジーとKロブによるラップ・シングル。当時新進気鋭のアーティストだったバスキアがジャケットのアートワークとサウンド・プロデュースを手掛けた。バスキアのセンスが炸裂したニューウェイヴ・テイスト溢れるダビーなロービートと、ラメルジーとKロブのフリーキーなラップは見事なニューヨーク・スタイルのラップ・チューンとなった。極少数プレスでテスト・プレスとして配布された。その後、わずか500枚限定プレスでリリースされた。

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その後、インディー・レーベル〈PROFILE〉から再発売された。当時の社長コメントによれば、バスキアは再発用に新たにジャケットを描き下ろそうと提案したらしいが、社長はバスキアのことを知らずに断ってしまった。一生後悔しそうな話だ。

このレコードはアメリカはもちろんヨーロッパで人気となり15000枚以上を売り上げた。大ヒットとまではいかなかったようだ。しかし、このレコードでオリジナル盤の人気が高まりヒップホップ雑誌〈EGO TRIP~BOOK OF RAP LISTS〉でヒップホップ史上最も高価なレコードと評された。

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〈SPIN〉のラメルジー&Kロブ・インタビューによると、ラメルジーはこのレコードはあくまでテスト・プレスでしかなく遊びの延長のようなものだと認識していた。しかし、〈PROFILE〉へのライセンス・リリースについては知らされておらず、一切ギャラは入ってこなかったことでバスキアとラメルジーに確執が生まれた。また、当初はバスキアがラップをしようとしていた。しかし、彼のラップを聴いたラメルジーとKロブが笑ったため中止となったらしい。

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その後、01年、05年に〈Tartown〉から、14年、18年に〈Get On Down〉から再発されているが、いづれも限定プレスのため現在もプレミア盤化している。

余談だが、94年にリリースしたビーテスティー・ボーイズのアルバム『イル・コミュニケーション』に「ビート・バップ」のリリックをタイトル引用した曲「Bボーイ・メイキン・ウィズ・ザ・フリーク・フリーク」を収録した。20年に開催されたサザビーズ・オークションではオリジナル盤が1300万円で落札された!

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