デク村アルミ

なりたいものが多すぎる 3月生まれ

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抜粋小説 『017・017』

(※)長編小説からの抜粋のような気分で読めたらいいなと思って書いています。でも、この前後の物語は存在しません。 紙切れをコートのポケットに戻すと、コーディ・エヴァンズは控えめに笑みを作った。 「問題ない。酒は飲めないが、コーヒー1杯分くらいなら付き合おう」と彼は言った。  このとき私は、彼が今見ていたのが劇場のチケットだと気付いていた。開演時間は遅くても1時間後だろう。今から向かえば丁度いい頃合いだ。彼らしい人の良さだと思った。  すぐ近くの、橙色のランプの灯りを木壁のニス

    • 目指せスピーチコンテスト

      外国語のスピーチコンテストに出ることになった。正確にはまだ応募してないから、出ることに決めたと言ったほうがいいか。 スピーチコンテストと言えば、今から20年くらい前の中学生のときに、全校集会で表彰される後輩を眺めてたことを覚えているだけで、自分からは少し縁遠いイベントだ。 帰国子女の子が金賞獲るのって、他の出場者は複雑じゃないの?と子供心に思ってた。 そもそもコンテストと名が付くものが、いつの間にどこで行われているのかが不思議だし、出場者はどういう経緯でコンテストを目指す

      • 仕事を辞めて、ロシア語をしている

        アルバイトもしていないので、ただただ毎日ロシア語をしている。 この春から専門学校に通っているので、語学学校生ということになる。 スマホに入れたロシアのニュースアプリから、毎日ロシア語のニュースが洪水のように流れてくる。 一方、学校の教科書の中ではイワンがイーゴリの家に遊びに行って「僕の娘は泳げないから海に行きたくないって言うんだ」なんて気楽に話している。 銀座にあるロシア語食料品店が嫌がらせに苦しんでいると聞く。 僕は数日おきに、1ルーブルが何ドルで何円なのかGoogle

        • 人の成功を予言するな

          仕事を辞めることにしたので、理由とともに「辞めます」と言って回ることになった。とても疲れる日々だった。 切り出す緊張もあるけれど、相手の反応が読めなくて、一人ひとりと話すたびに疲れてしまう。 相手がどんなことを言うかによって、こちらもそれを受けて思ったこと、言いたくなったことを言うことに決めていた。 僕は語学を使って働くために今の仕事を辞める。 ある上司の反応はこうだった。 考えて決めたことなら仕方ない。応援している。今この世の中の情勢なら、善は急いだほうがいいだろう。

        抜粋小説 『017・017』

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        • 雑記/デク村アルミ
          6本

        記事

          語学趣味とイントネーション

          趣味で外国語を勉強している。もう10年くらいやってる。 外国語の発音に関して、色んな人が色んなことを言っていて、発音を良くするための方法がどうとか、発音が良くないと恥ずかしいとか、語学のアンテナを立てているとそういう情報に山ほど出会う。 YouTubeではGACKTが、発音ダメだと可哀相と言って、発音に関して徹底レッスンをしていたりする。 嘘や煽りもたくさんあるし、不快な情報もたくさんある。だけど、子供の頃に身につけないと発音が「上手くなりにくい」のは本当なんだろうと思う

          語学趣味とイントネーション

          定休日と世界線

          大した話ではないのだけど、去年の今頃、仕事を数日間休んだ。 ペグを回しすぎたギターの弦が弾け切れたように訪れた限界だった。 必要以上に詳しい理由とともに「休みます」とメールしたのが、その日の夜だったか、翌日の朝だったか。呼吸のテンポが妙に意識されて仕方がなかった。 休んだその日は晴れていた。 晴れているし、何か決定的なことがある気がして、外に出てみようと思った。そこには楽しみで燻る気持ちだけがあり、僕を追い立てるものは何もなかった。 近所の大通りを車がスイスイと走る横を

          定休日と世界線

          痩せていく僕から1年後の自分へ

          自分史上、最も急激に痩せていっている今を、忘れないように書き留めておこうと思う。 今の体型が嫌で食事制限をしているというわけではなくて、お金を貯めたくて食事が減っている。 1日3食大盛りご飯(コンビニ)だった生活から、肉とか野菜を蒸して食べる生活に変えた。八百屋とか肉屋にも行くようになった。 家に体重計はないけど掌にスマホはあるので、銀行口座に入っている金額はいつでも分かる。増えると嬉しい。 痩せ過ぎだと同僚から言われるけど、生活を変えようとは思ってない。 これってある意

          痩せていく僕から1年後の自分へ