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詩篇

26
折々に書いた詩をまとめています。
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2021年2月の記事一覧

天泣

君は 春風みたいな人だったね いつも くすくす微笑んで そこに いるんだ 君は 陽だまりの…

deko
3年前
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朱鴇色(ときいろ)の海

港の突堤を猫が夕陽にむかってぶらつく その背は太陽の残照をあびて黄金に輝いている 朱鴇色…

deko
3年前
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手紙

届く宛てのない手紙をしたためる。 薄曇りの空の下、雲の切れ間から 一条の白い光が降りて来…

deko
3年前
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ノベル #7

時のはざまに置き忘れてきた ターコイズブルーの シーグラスのかけら 瑠璃色の海のわすれもの …

deko
3年前
28

ノベル #6

白い月の光が 擦りガラスに 模様を描く 今宵は 十六夜の月 シロツメクサの花冠は どこに置き…

deko
3年前
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はるかぜこおりをとく

前略ごめんください そもじ様にはお変わりなく 軒の氷柱も東風が解かし 拙宅の小庭の白梅の…

deko
3年前
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飛びたてないのなら

飛びたてないのなら、 低くしゃがみ込めばいい。 そうすれば 足もとで芽をだしている タンポポに気づくはず。 転んだのならば 大地を抱きしめればいい。 そうすれば 風になびく名もない草が 強く暖かなことに気づくはず。 走れないのならば 寝転がればいい。 そうすれば 空のはるか向こうに 宇宙があることに気づくはず。 見失ったのなったのならば 立ち止まればいい。 そうすれば 樹々の枝でうたう 雲雀のさえずりに気づくはず。 まっすぐな道よりも ワインディングロードを。 平らな