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100字物語「少年のさがしもの」

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毎回、100字でショート・ショート風ストーリーを連載していきます。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何が見つかるかは、お楽しみに。
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#毎日note

100字物語「少年のさがしもの」#第20話

少年は天秤を探していた。夜明け前のジョギング。丘の上までの最後の坂道。眼下には街灯の波が煌き、東の空には明星が瞬く。山の稜線が白く霞みはじめる。クールダウンをしていると、猫が朝の挨拶をしに寄って来た。 (to be continued) 毎回、ぴったり100字で1枚のフォトジェニックなショート・ショート風ストーリーを連載。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何がみつかるかは、お楽しみに。

100字物語「少年のさがしもの」#第34話

少年はドラマを探していた。湖のキャンプ場。漆黒から紺青のグラデーションを描く天。雲が墨を流したように透け、星が動く。南の宙で天狼が目を光らせている。コッヘルでコーヒーを沸かした。猫が焚火の傍らで蹲る。 (to be continued) 毎回、ぴったり100字で1枚のフォトジェニックなショート・ショート風ストーリーを連載。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何がみつかるかは、お楽しみに。

100字物語「少年のさがしもの」#第36話

少年は進路を探していた。港のドック。運河に架かる橋から貨物船の進水式を眺める。斧が綱を切ると、シャンパンボトルが船腹で砕け散った。ドックに海水が侵入する。デッキの上空で群れるカモメ。猫が毛を逆立てた。 (to be continued) 毎回、ぴったり100字で1枚のフォトジェニックなショート・ショート風ストーリーを連載。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何がみつかるかは、お楽しみに。

100字物語「少年のさがしもの」#第37話

少年は源を探していた。小川にかかるコンクリートの橋。錆の浮いた欄干。川面で光が跳ねて踊る。せせらぎは遠く、軽トラがタイヤを軋ませて通り過ぎた。見下ろした河原ではエノコログサの一群れと猫が格闘していた。 (to be continued) 毎回、ぴったり100字で1枚のフォトジェニックなショート・ショート風ストーリーを連載。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何がみつかるかは、お楽しみに。

100字物語「少年のさがしもの」#第38話

少年は対話を探していた。教室が微熱を帯びる2月。期待と落胆の嵐が吹き荒れる日がやって来る。朝から甘い匂いに浸食される脳髄。恋愛は未知の領域。数学よりも理解不能。義理でもいいさ。猫まで女子に媚びを売る。 (to be continued) 毎回、ぴったり100字で1枚のフォトジェニックなショート・ショート風ストーリーを連載。100話完結をめざし、物語をつなげていきます。テーマは、少年のさがしもの。何がみつかるかは、お楽しみに。