大河ファンタジー小説『月獅』13 第2幕「隠された島」第5章(1)
いよいよ第2幕をスタートさせます。
お楽しみいただけると幸いです。
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第1幕「ルチル」は、こちらから、どうぞ。
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第2幕「隠された島」第5章:「漂着」(1)
海から駆けあがってくる風が、洗いたての服をぱたぱたとはためかせる。飛ばされないよう、ディアはすばやくピンチで留める。
今日も風が蒼い。
「よし、これが最後。うーん、本日も洗濯物が早く乾きそう」
風にもてあそばれて頬や額に乱数のように貼りつく美しいオレンジの髪をむぞうさに