あまねく人じゃなくていい。あなたに綺羅星ルックバックを読んでほしいんだ
シャニマスは、度しがたく自分の人生に影響を与えている。
仕事関係然り、友人関係然り、恋愛関係然り…。
6年前に出会った時から、その輝きはいまだ衰えることを知らず、綺羅星のように鮮やかな光を放ち続けてきた。
この記事は、そんな光り輝くシャニマスのイベントシナリオから、放クラコミュである『綺羅星ルックバック』について、激推ししていくコーナーである。
タイトルの通り、記事を見たあなた、日々を頑張るあなたにこそ読んでほしいので、前半パートはネタバレほぼ無しで推しポイントを3つ紹介する。
後半パートについては、過去の放クライベントシナリオコミュや6thライブなどを振り返りながら、ネタバレを含む形で感想会を行いたい。
前半パートの推しポイントを読んでいただき、『綺羅星ルックバック』を読んでいただく。ぶっちゃけこれだけでもいい。
ただ、もし、もし一緒にちょこ先輩の凄さと、かほちょこの尊さを分かち合いたい気持ちがあるのなら、後半パートも読んでもらえると幸いだ。
【前半 / ネタバレなし】
シンプルにコミュが良いんですわ
完全にこれ。まあシャニマスのイベントシナリオコミュはもれなく完成度が高いんだけれども、その中でも特に放クラらしさがギュッと詰まったコミュになっているという印象。
放クラらしさと言えば、筆者は「何事も常に全力で挑む姿勢」、そして「個性の違う仲間を丸ごと受け止めて思いやる姿勢」が二大巨頭だと思っている。
それは例えば楽曲でも顕著に表れていて、『太陽キッス』や『ビーチブレイバー』のようにタオル曲・コール曲といったいわゆるバカ騒ぎする曲があるかと思えば、『よりみちサンセット』や『拝啓タイムカプセル』のようにしんみりする曲も。
青春と言えば学園祭の前と後のような、バカ騒ぎするかしんみりするかの二択だと(勝手に)思っているので、それが青春らしさ=放クラらしさということなのだろう。
そして今回のコミュは、そんな動と静がはっきり分かれた2つの姿勢がまるっと凝縮されている。
ちょこ先輩が”ちょこ先輩”な理由
そもそもの話になるが、『綺羅星ルックバック』は果穂と智代子がメインでストーリーが組まれている。それはイベントのロゴからも分かる通り。
(実はイベントシナリオのロゴにキャラのデフォルメが登場するのがこれが初めてだったりする)
ちなみにこのロゴ、コミュを読み終わった後によーく見ると、シナリオのキーワードとなるモチーフが描かれていたり、果穂と智代子なのになぜこの配色になっているのかが分かったりと仕掛け満載でもうこの時点で好き。
そして、このコミュでは果穂が智代子のことを「ちょこ先輩」呼びする理由が描かれている。これはシナリオの中でのファンのSNSでも触れられているが、なんと6年目にして初出情報である。
ここから先はネタバレになるので伏せておくが、1つ言えるとしたら、先輩たるゆえんはどうやら武士・智代子に依拠する部分がある、ということか。
心を貫通するぴよの迫真の演技
『綺羅星ルックバック』では果穂が謝るシーンが幾度も出てくるが、ぜひ飛ばさずに聞いてほしいシーン。過去のコミュでも果穂が落ち込んでいるシーンはあるが、今回が一番心にグサッときた。
【後半 / ネタバレあり】
6th横浜Day2にて
唐突ではあるが、ここで小宮果穂役・河野ひよりさんのライブ後ポストを見てみよう。
その姿はまさに
これだった。
特に今回のFashionableではDay1は果穂オンリー → Day2で果穂と智代子の組み合わせとなっており、運営サイドはかなりこのコミュを意識したのではないかと思う。
一連の流れはまさにホテルから一人飛び出していった果穂に智代子が出会うシーンを連想させ、冒頭の「重ね合わせた~」で果穂と智代子が手を重ね合わせているタイミングから筆者はずっと「綺羅星ルックバック!!! 綺羅星ルックバック!!!」と泣き叫んでいた。
そしてキャストである河野ひよりさんも『綺羅星ルックバック』のことは意識していたのではないかと思っていて、それは上記のポストだけに留まらず、Day1のMCの時にプロデューサーを「きらきら星の皆さん」と表現したこと、そして、Day2のMCで「放クラのパワーの源は応援してくれるプロデューサーさん」と表現したことにも見え隠れしている。
また、綺羅星ルックバックとは直接関係はないが、放クラにおける横浜Day2のハイライトと言えば、愛依のDJパートで歌われた「絶対正義 EVERY DAY」も忘れてはいけない。
過去に2回歌唱されているが(1回目:THE IDOLM@STER SHINY COLORS 283フェス 2021 Happy Buffet! Day2、2回目:THE IDOLM@STER M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023 Day1)、実は放クラの5人で歌唱するのは初めて。
(違ったらすみません)
背景にはジャスティスVの6人(なんでVなのに6人かはさておき)が登場しており、歌唱の間には「原点回帰」ということで小宮果穂のsSSR【ヒーローインザパーク】の配役で劇を展開していた。
(原点回帰という言葉は6th横浜Day2のオーコメで河野ひよりさんが使っていた言葉を引用しました)
もともとはヒーローのようなアイドルになりたいと言っていた果穂が、放クラの5人でヒーローソングを歌えたというのはこれ以上ない意味を持つものだった。
ちなみに歌唱中のスクリーンにジャスティスパープルは映っていなかったが、筆者は「ジャスティスパープル!!! ジャスティスパープル!!!」と虚空に向かって叫び散らしていた。
果穂にとって智代子は最初から――
『綺羅星ルックバック』は、過去の回想がところどころに織り交ぜられている。それはイベントシナリオの予告でも暗示されている。
ちなみにこの”強化合宿”というのは時系列的に放クラ初のイベントシナリオ『五色 爆発!合宿 クライマックス!』よりも前のタイミング、つまり果穂も智代子もほぼアイドルなりたての頃だ(五色爆発では既に果穂はちょこ先輩呼びになっている)。
強化合宿での思い出が瞬いているのは主に
プロローグ『綺羅星』
第4話『大人げ』
第6話『事実と正解とこの先のこと』
の3つ。
プロローグでは果穂と智代子が全力で相対する姿、第4話では強化合宿中の智代子の学ぶ姿勢、そして第6話では、果穂と他のアイドルとの絡みを対比的に描いた後に、再び果穂と智代子の相対に焦点を当てている。
このエピソード群を見るに、果穂はかなり初期のころから智代子に対してヒーローを見出していた、と感じた。
特に印象的なのは第4話で、果穂は智代子の学ぶ姿勢について、ジャスティスブルー、ジャスティスレッドを引き合いに出している。
ブルー、レッド、そしてパープル……様々なヒーローと重なる部分がある智代子をヒーローのように思ってしまう果穂の心理はさもありなんである。
また、『綺羅星ルックバック』のエピソードは『many screens』と部分的な近似構造も持っている。
『many screens』
果穂が智代子をいじめている(ように視聴者から見える)
『綺羅星ルックバック』
智代子が果穂をいじめている(ように視聴者から見える)
『many screens』
果穂が公園にいたところに事務所に行く智代子(と夏葉)がやって来た
『綺羅星ルックバック』
智代子が広場にいたところにホテルから飛び出した果穂がやって来た
この部分が二項対立のような状況になっており、そのうえで、
智代子(放クラ)が果穂に声をかけて、智代子(放クラ)なりの考えを示す
↓
果穂が自分なりの答えを出す
という部分が一致するような形となっている。この構造によって、イベントシナリオが地続きになっているように感じて、だからこそ、
智代子の果穂への声の掛け方がいつ何時でもヒーローに見えてしまうんだろう。
その先に、何がある
以前どこかの記事か配信の時に高山Pは「余韻みたいなものを感じるのが好き」という話を聞いたことがあるが、この『綺羅星ルックバック』も、余韻というか、余地、みたいなものを残したつくりになっている。
↑のタイトルは一例ではあるが、どれも全て日本語としては不完全な文章になっている。特に一番最後なんて典型的で、読点で完結する言葉なんて「藤岡 弘、」くらいしか思いつかない(伝われ)。
ここでは、一番上にある「輝く覚悟を決めている」という部分をもう少し深掘ってみたい。
まず「輝く覚悟を決めている」という言葉について、”覚悟”という言葉における智代子コミュといえばやはりpSSR【かきまぜたらミルク】だろう。
詳細は割愛するが、友達の代わりにオーディションを受けて合格したという出自を持つ智代子が、アイドルを「友達に託された夢」ではなく「自分自身の夢」として全力でぶつかることが出来るようになっていく、智代子Pもそうでない人も必見のコミュだ。
智代子としての輝く覚悟はおおよそこのタイミングで決まったといっても差し支えないのだが、一方このコミュの中で、智代子が「アイドルを友達に託された夢としてやってきていて、自分自身の夢として出来ていなかった、全力を出し切れていなかった」ことを放クラのみんなに打ち明け、謝るシーンにおいて、果穂はこんな言葉を投げかけている。
この言葉は智代子に対してヒーローめいた何かを感じ取っていなければ絶対に出てこないように思う。
そして輝く覚悟を決めた智代子は、「アイドルになったことを後悔してない?」とオーディションを代わった友達から直接聞かれても、
答えられる。これを強さと言わずして何という。
だから、
ところで、明言すると余韻がなくなってしまうのがアレだが、【chocolate next door】のコミュを見ていても、やはり元からアイドル(≒ヒーロー)としての才能を智代子は持っていた。それは「輝く覚悟を決め」た時からはもちろんだが、決める前からもそうだったように感じる。
智代子の公式プロフィールに「クラスに一人はいるごく普通の女の子」と掲載されている通り、目に見える個性だけが普通だったのだ。それ以外のアイドルとしての素養みたいなものは既に持ち合わせていた。
では、その素養のもととなるものは……?
これもsSSR【chocolate next door】にヒントがあるように感じる。
「足りないものがあれば努力するのは当たり前」という努力のアイドル・園田智代子は家族である弟にもパワータイプと評されている。
ただ、これが天性のものだとは考えづらい。この考えの土台となる何らかのきっかけが幼少期にあったんではないか。
それが現状では未実装のS.T.E.P.編にて明かされるのではないかと、期待している。
(S.T.E.P.編は各アイドルがアイドルになる前のことに言及しているが、智代子が代わりにオーディションに出ることになったきっかけの友達・あすみちゃんに関しては、Landing Point編で決着が付いたと思っている)
結びに
今回は『綺羅星ルックバック』についての推しポイントと感想について語りました。
enza版シャニマスに関してはリリース当初から続けていたものの、割とエンジョイ勢という自覚はあって、自己紹介の記事でも述べている通り、コミュもまだ全部は読み切れていません。
それでも今回こうしてnoteにおける#シャニマス感想コンテストに応募しようと思ったのは、7年目となった今年のコンセプトが「join us!」であることと、6thのライブを通してそのコンセプトが十二分に伝わってきたことが大きいです。
今回この記事を書くにあたって改めて智代子と放クラのコミュを何度か読む機会がありましたが、新しい発見や、新しい感動がいくつもあり、特別な時間を過ごすことが出来ました。
改めて主催してくれた運営の方々に感謝いたします。