姫野桂『私たちは生きづらさを抱えている 発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音』を読んで

前半は、発達障害当事者へのインタビュー、後半は自身が発達障害の診断を受ける検査などを公開していくという内容です。

「発達障害」という言葉が、NHKが特集したり、芸能人が告白したりと、ずいぶんと話題に挙がることが増えました。

ただ、目に見える障害でないことで分かりにくく、「ちょっと変わった人」という認識で終わってしまう日本の中で、当事者の困難さ、生きづらさはあまり伝わっていないように思います。

amazonの書評を読んでみると、元はWEB連載されていたのを加筆、修正したものとのこと。

それも踏まえての感想ですが、「発達障害って一体どういうものなの??」というところから入る方には、分かりやすいと思います。

「発達障害」という単語の中に含まれることの多さを理解するのには、読まれる方の興味と時間が必要です。※発達障害は「自閉症スペクトラム障害(ADS)」、「注意欠如・多動性障害(ADHD)」、「学習障害(LD)」、「チック障害」、「吃音(症)」などがあり、複数現れることもある。

症状1個1個を詳しく知るのは、当事者や家族が必要ですが、そうではなく概略として「どんな人が発達障害なのか」を知りたい人には、実例をいくつも見聞きするのが一番分かりやすく、イメージもわくと思います。

中に出てくる当事者の方の経験は、正直重い話がほとんど。こんなに大変なんだと思う人もいると思います。「そういえばクラスに同じような子がいたな」「職場に似ている感じの人がいる」とも思い出した方もいるでしょう。

身近にも発達障害である人がいることにも気づくかもしれません。

タイトルにあるように「発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音」が一番伝えたい内容だと思います。

恐らく当事者からは、「私は違う!」などの反論もあるでしょう。それも想定内として、ここには書ききれないぐらいバリエーションを持った当事者がいるんだということを知って欲しいなと私は思いました。

この先にあるのは、この「生きづらさを抱えた人」が「生きづらさを少しでも緩和できる環境にたどり着けるように、環境づくりをする」ことだと思います。

まだまだ認知が低いと思われる「発達障害」への対応を願いつつ、家族である発達障害の息子との暮らしも、日進月歩ながら、進めていきたいと思いました。

#私たちは生きづらさを抱えている  発達障害じゃない人に伝えたい当事者の本音 #発達障害

もし記事がいいなと思ったら、サポートお願いします。