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良いキーボードを買え! 1万文字お気持ち表明 〜購入&設定簡易FAQを添えて〜

   ※2022/10/02
(2013年のCherry MX技術特許失効を踏まえ全体に追記修正)


自宅・職場・公民館と日常のあらゆる箇所で使用するPC、において最も重要な周辺機器と言っても過言ではない入力装置「キーボード」について、だが意外とお金をかけている人は少なそうだ。

シンプルな話、人生で今後何万回も執拗に押下し続ける装置なだけに、多少のお金を掛けるだけで長きにわたる大変革を起こせるのがキーボードと言う装置なのだ。

こちらアフィでもなんでもないため筆者には何の利益も発生しないが、良いキーボードによるあなたの受益が筆者にとって一番の利益となるため、謹んで愛を書き込みたいと思う。




◯キーボードのタイプについて

キーボードはその構造によりキャラクターや価格帯がガラリと変わる。
ここでは現在主流となっている構造についてかいつまんで解説する。


●メンブレン式

あなたの職場にある粗雑なDELL製PC、あなたの学校にある情報学習室のPC、公民館の片隅で光り続けるうら寂しいPCのキーボードは大体どれも等しくこちらの「メンブレン式」のはずだ。
メンブレン:Membrane とは直訳で「膜」の意であり、その名の通りキーの下にはドーム型のラバーキャップが仕込まれている。
概して押し心地は非常に柔らかく深いため長くタイピングしても指に負荷が掛かりづらいのが魅力となる。また平均して非常に安価なのも大きな特徴となり、1000円程度から雑に購入することが可能だ。そのためオフィスに設置されているような安価なデスクトップPCに付属のキーボードはメンブレン式であることが殆どだろう。

デメリットとしてはキーの固定が芳しくないため指を乗せて左右にふるとカチャカチャと左右に揺れキーがブレること、押下後の戻り速度が速くはないことが挙げられ、また押し心地自体は柔らかいものの押下の判定は押し切らないと発生しないため中途半端なタイピングでは入力が行われないこともしばしば。
伴って高速でタイピングを行うとキー側が速度に負けてしまいがちとなる。

押し心地は良いには良いが、後述の静電容量無接点方式やメカニカル式のうち低負荷な軸に比較するとトータルの荷重は強めな印象のため、可能であればどちらかへのグレードアップが望ましい機構となる。

ただノスタルジックで愛嬌のあるメンブレンの押し心地はなんともクセになるもので、筆者も長いこととあるメンブレンキーボードを所有し、隙を見てはメインと取り替えて使用している。


ps2キー
これだ
SCPH-10240  プレステ2用純正キーボード 2000円弱
(画像はebayから勝手に拝借)

   高校時代「やっぱり純正だろ」とBBモデムさえ接続していないPS2用に購入したこちらの純正キーボードは、価格の割にかなりしっかりとした作りとなっておりメンブレンキーボードのお手本的な素晴らしさに包まれている。
先述のラバードームは粗製な場合キー裏全体にベタッとラバーが敷かれただけのケースもあるのだが、こちらは各キー毎に独立したドームが設置されている。
また底面に鉄板が敷かれており、打鍵感の向上に大きな寄与を果たしている(この価格帯で鉄板入りはなかなか律儀)。

純正キーボード内部。う〜ん美しい
借用元:http://keyboard39.blog90.fc2.com/blog-entry-3.html





●パンタグラフ式

いわゆるノートPCのキーボードである。薄く固く、パタパタとした押し心地のアレだ。
押し心地はさながら「0と1」的な中間位置の無いもので、スイッチをポチポチ押す感覚に近いのはご存知の通りだろう。
パンタグラフ機構が果たしたキーボード薄型化への貢献は凄まじく、伴ってパンタグラフ式は押し並べて薄型モデルが多い。またボタン全体が薄いことからストローク自体も短く済み、短時間であれば指への負荷を少なく、軽快に入力できることが魅力となる。浅く素早く打鍵したい方にとっては唯一と言っても良い選択肢になるだろう。
構造自体が簡素なのかこちらも安価なモデルが多く、概ねメンブレン式と同等の価格帯で購入することが出来る(家電屋の適当なサプライコーナーに並べられているのは十中八九メンブレン式かパンタグラフ式だ)。

デメリットとして、構造上の問題から単純に壊れやすい。自力での修理も難易度が高く、故障=使い捨ての考え方もやむなしと言ったところだ(こちらはメンブレン式も同様となる)。
またこれは個人的な所感だが、短期的には入力がパタパタと軽快に行えるものの、薄く硬いぶん指に返ってくる反動が大きく、長期的には指に随分と疲労がたまる印象だ。

パンタグラフ式。致命的に色気が無い
画像借用元:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00580/013100002/?P=2





●静電容量無接点方式(超オススメ)

スイッチ機構に静電容量無接点方式を採用しています。
電極が接することなく一定レベルに近づけば回路が接続されてキー押下を認識する仕組みのため、物理的な接点が無く、信頼性と耐久性に優れています。

https://www.realforce.co.jp/features/


キング・オブ・キング、キーボード界のオメガ、燦然と輝く王者がこちら。
構造については正直あんまりよくわかんないので開発元のコピーをベタ貼りしているのだが、こちらは物理的な接点同士の接触ではなく、押下の動作により電気パワーを溜めることで直接接触しなくても押下判定出来るようにしました というものらしい。

筆者も7年ほど使用していたのだが、マジで引くほど使用感が良い。
カホカホ、コシュコシュとこの構造特有の湿気を含んだ打鍵感、併せて耳に響く上品な打鍵音、ブレが無く確実なタイピングを生み出す堅牢性に加え各指に併せて最適にチューニングされたキー荷重から生み出される滑らかなタイピングの実現と非の打ち所がない(こちらはモデルにより有無が異なる)。
また物理的接点がないことからチャタリング(二重入力)の発生が防がれ、シビアな入力による誤作動が構造的に発生しないようになっている。
この機構の開発元である東プレがタイピング競技の胴元であること、また日本チャンプの採用するキーボードが静電容量無接点方式に占められていることからもそのガチ具合が推し量れるだろう。つまるところこの記事は「静電容量無接点を買え!」という意図なのである。

競技タイピング王者(ギャル)の特集記事。こわ〜い
https://and-engineer.com/articles/X3f6vxIAAIPV7sdf

五感に訴えてくる最上のフィーリングのほか、高速タイプへの応答性、ミスタイプ誘発の少なさ、及び長時間のタイピングに対し疲労が溜まりにくいことがメリットとなる。

購入が容易な、主だったモデルは以下の2系列となる。

●HHKB:Happy Hacking Keyboard:PFU社

HHKBのフラッグシップ Type-S 白 刻印有りモデル
37,000円くらい  頭おかしいのか


●Realforce:東プレ社製

Realforceのフラッグシップ R3
35,000円  Switchよりちょっと安い



・静電容量無接点方式 実際のタイピング音

公式が9分間も無言でタイピングする動画を上げるぐらいには最高なのでマジで聴いてみてほしい、是非イヤホンで。



※筆者が7年ほど使用していたのはRealforceのエントリーモデル「108UBK」となる。前職を退職時に会社に置き忘れそのままパクられてしまったため所在は不明だ。

Realforce 108UBK  廉価版だが打ち心地はマジでヤベー
実売15,000円


市場においては長時間の高速・大量タイピング用という趣が強く、文量を稼ぐ必要のある職種やエンジニア御用達として定着している。またキーボードマニアは肛門から汁が出るほど同機構を求め、なんだかんだで一度は手元においてしまうことが多い。

デメリットは1点、値が張ることである。
最上位モデルともなると有機EL版Switchと変わらない価格だが、あなたは実用品にそのような出費を行えるだろうか?
筆者の答えとしては「買った瞬間タイピングが娯楽になるから大丈夫」である。マジなんですって、マジで!
(15,000円程度の廉価版でも全く十分ではある  ※訂正  Realforceシリーズについて22年8月現在においては上記108UBKのような廉価モデルは絶版となっており、現行品は最低でも25000円強の費用が発生するようだ。Realforce-Heavenのような海外向け廉価版を取り寄せる選択肢も存在するが、中華生産のため品質に関しては同一と言いきれない。また絶版品の中古を購入する選択肢もあるが、内部部品の潤滑切れによる鳴りなどが懸念されるため個人的にはオススメできない。)





●メカニカル式(まあまあオススメ)

非常に柔軟なカスタム性と、付随する面倒臭さをたたえたキーボード界のミニ四駆。
現状キーボードに意識を向けている層において最もシェアが高いのはこちらの機構になるだろう。
またゲーミングキーボードとしての発展が目覚ましいのも特徴であり、PCゲーマー諸氏が手元に置くキーボードの大半はメカニカル式のはずだ。
詳細は後述するが、メカニカル式の主要技術が事実上のオープンソースとなったことにより参入企業が爆増、世界を跨いだ一大ムーブメントを起こしている。

メカニカル式の特徴は「軸」の選定にある。
プラス形の樹脂軸には様々な色分けがあり、各色毎に押し心地、重さ、クリック感 の有無や質、音色や反応タイミングなど変化に富んだキャラクターがある。
自分の求める感覚に基づいて軸の選定や交換を行うことで、最適なキーボードを入手できるのが最大の魅力だ。

また軸色に寄らない共通の利点は、メンブレンのようなキーのブレが発生しないため割と堅牢目かつサクサク軽快な打ち心地が得られること、そして物理スイッチの存在による「俺は今キーボードを叩いているんだ!」という強い実感を得られることである。
以下に記述するように押し心地は大差あるものの、ソリッドな軸から生ずる特有のトランス感は静電容量とは大きく異なるものであり、正しくメカニカル式ならではの楽しみと言えるだろう。

価格帯は6,000円ほどから30,000円を超えるもの(自作カスタムとなると10万円を超えるものも)まで多彩だが、軸の供給元とキーボードの製造元が別々であることから参入が容易=競争が激しい形式であること、軸のグレード自体は価格と無関係が基本であることから低価格モデルでも十全な性能を持つものが多く(基本的に付随機能とカスタマイズ性が落ちる)、購入のハードルは静電容量無接点方式より低い。

メカニカル軸
見ただけでウンザリするが、加えてメーカー毎に同色でも性能が異なる
画像拝借元:https://game.massustyle.com/10468.html


各軸の特徴

筆者は別にメカニカル沼にハマっているわけではないので大した知見は持ち合わせていないが、ヨドバシカメラの展示品とそこらのネットメディアから得られた知見を惜しみなくあなたに捧げたいと思う。

以下に記載するのは現在の主流となるCherry MXスイッチを世に産み出したCherry社のスイッチに関する情報だ。しばらくの間市場を独占していたが、2013年に技術特許が満期失効となったことによりCherryより高みを目指したスイッチメーカーが多数勃興しているため、現状においてはCherryはあくまでスタンダードの一つと認識してもらえればよいだろう。
メカニカルキーボードが展示されている場合、大概値札にメーカーおよび軸色が記載されているため試す際はぜひ確認してほしい。

・Cherry赤軸

かなり押し心地が軽く、静か。更に静音性を高めた「ピンク軸」も存在する。押下するほど無段階に反発が増していく「リニア形式」で、後述する「青軸」のようなド派手なクリック感や動作音はないものの堅実に低負荷なタイピングが行える。

・青軸

キッズ御用達のエンターテイメント軸。
押下すると明確に”カチッ”と鳴る「クリッキータクタイル形式」の代表格で、プチプチくん並みに動作が心地よく、信じられないほどうるさい。あまりにもうるさいため職場での使用はご法度というのが市場の共通認識となっている。
押し心地がド派手なため「タイピングしてるぜ感」に全振りしたいあなたにはオススメのボタンとなるが、概して荷重が強めのため長時間のタイピングは厳しいかもしれない。

・茶軸

ウンコ色。
「赤軸」と「青軸」の中間に位置するというのが定説で、ほんのりクリック感の生ずる「タクタイル形式」。ほどよい打鍵感・打鍵音からエンターテイメント感と実用性の中間に立つモデルとなっているため、つまりどっちとも判断がつかない方にオススメとなる。
初メカニカルの場合とりあえず茶軸にしろと説明する記事も少なくない。
筆者はクリック感の必要性を感じないためあまり興味が無い。

・黒軸

リニア形式。最も押下に力の要る軸と認識しておけば問題ない。
荷重が大きい分確実な打鍵が可能となるが、マジで指が疲れるため長時間のタイピングは絶対無理、無理無理無理無理。筆者が買うことは無い。

・スピードシルバー軸(銀軸)(マジでCool)

スタンドみたいな名前をしている筆者的No.1軸がこちら。
個人的に最も「静電容量無接点方式」に近い打鍵感と感じたのがこのスピードシルバー軸となる。
リニア形式で荷重は赤軸と同等だが、押し始めから入力判定が発生するまでの距離が通常の1/2程度に縮められているため極めて応答性が高く、柔らかいタッチで爆速タイピングを行うことが出来る、高速特化の軸となっている。
入力判定が早いためミスタッチは他軸より発生しやすい傾向にあるのは間違いなく、そちらが明確なデメリットとなる。
ゴリ押ししていることからもわかるように、この記事は「メカニカルならスピードシルバーを買え」と強く訴えることを目的としたものなのである。

※追記 
1週間ほどスピードシルバー軸を使用してみたが、これを万人にオススメするのは罪深いことであったと理解したので追記する。
こちらは入力判定の発生が他の軸よりも早いと記載しているが、これがあまりにも敏感すぎるというのが筆者の印象だ。入力する気のないキーにふっと指が触れるだけでも入力されてしまうため、押下時の負荷自体は軽く設計されているものの、日頃からメリハリのある打鍵をしている人間でなければご入力の発生率がとんでもないことになる。ゴーストノートが許されない。
実際に使ってみないとわからない点かもしれないが、日頃からキータッチの柔らかい人、無関係のキーに指が当たりがちの人は要注意だ。
各社のアンケートではゲーミングキーボードにおける採用率No.1となりがちのため、応答速度を求める用途に対しては最適解の一つと断言できるだろう。

・スピードシルバー軸 実際のタイピング音

実際もかなりこれに近い。サラサラと上質に擦れる音が実に魅力的。






※ちなみに筆者が現在使用しているメカニカルキーボードは以下のモデルだ。

●Archiss Progres Touch RETRO TKL スピードシルバー軸 US配列

実売13,000円くらい  近所のじゃんぱらで中古4,500円でした


メカニカルキーボードの特徴としてキートップのカスタマイズ性の高さも挙げられる。
軸の画像を見てもらえればわかるように、キートップの軸の接続は「+」突起で統一されており、キーアサインの変更にあわせて物理的なボタン配置を変更できる他、サードパーティ製のアイテムを購入することで任意のドレスアップや、更には完全自作のキーボードを作成することさえ可能だ。
上記はWindows用モデルだが、筆者のMac環境に合わせて物理的にキー配置を変更してある。





◯超簡易的 キーボード購入&設定FAQ


Q.  「US配列」って何ですか。
A.  日本語圏で発売されるキーボードには「日本語配列(JIS配列)」と「US配列」があります。

JIS配列はその名の通り日本語入力に最適化された配列で、キートップにひらがなが印字されているアレです。「日/英切替キーがある」「かな/英数/変換キーがある」ことが特徴で、ボタン一つで日英切替を行えることが最大のメリットとなります。またEnterキーが縦にデカいです(重要)。デメリットとしてJIS用にキーが増えるためレイアウトに余裕がなくなり、特に記号の配置が割りを食っています。そのためコーディングを行うエンジニアなどには忌避される場合があります。
US配列は所謂英語レイアウトです。JIS特有のキーが存在しないため「レイアウトに余裕がありBackキー、Enterキーやスペースキーがデカい」「記号の配置が滅茶苦茶合理的になる」「ひらがな印字がないためスッキリ」「なんとなくオシャレ」などのメリットが挙げられます。特に記号配置の合理性については改めてJISと比較するとJISの酷さに笑いが起こるレベルです。
一方「言語切替用キーが存在しないため日英切替の設定が面倒くさい」「JISに慣れていると苦戦する(Enterキーが細すぎて発狂しそうになる)」「国内ではマイナーなため中古相場が低い」などのデメリットが存在します。
筆者は今年初めてUS配置を購入しましたが、記号配置の合理性が非常にハマっており、購入してよかったと思っています。あとオシャレです。 

Q.  US配列を使用する際の注意点はありますか。
A.  Windows / Mac ともにちょっとした設定の変更追加が必要になります。

Mac上では、日英キーが存在しないUS配列だとそのままでは言語切替の手段が存在しない(あったらごめんなさい)ので、『⌘英かな』といった外部ソフトウェアを使用して何かしらの切替手段をこさえる必要があります。
筆者の場合は⌘英かなを使用して左右Optionキーを単体で押下した場合にそれぞれ日英に切り替えられるよう設定しています(JISに寄せた設定)。
Windows上ではOS設定から「ハードウェアキーボードレイアウト」を「英語キーボード」に設定する必要があります。英語キーボードが選択肢として表示されない場合はOSの使用言語に「英語」を追加する必要があります。詳細はググると出てきます。

Q.  Mac(Windows)上でWindows(Mac)用キーボードは使えますか。
A.  なんとかなります。

「まずは中古のキーボードでいいや」と近所のショップを巡った結果お目当てのモデルが見つかったものの、対応OSが違う……といった場合や、そもそもWindows用モデルしか製造されていないモデルもありますが、大体の場合外部ソフトウェアでキーアサインの変更やショートカットの作成を行うことで対応できます。そのため対応OSについては深刻に考える必要はないでしょう。
MacでWindows用キーボードを使用する場合はフリーソフト「Karabiner-Elements」を使用し、キーアサインの調整やショートカットの自作を行えばまずどのキーボードでも大丈夫です。どのキーがどのキーとして信号を送っているかわからない場合はKarabiner-Elementsに付属の「EventViewer」を使用してください。具体的な使用方法はググれば出てきます。
Windowsについても同様に「Applekeyboard Bridge」「Keyswap」というフリーソフトが存在し、抱合せでの仕様を解説した記事が大量にあるのでググってみてください。

Q.  社用PCと自宅PCでOSが異なる場合は自宅環境準拠でよいですか。
A.  職場のセキュリティルールを確認すべきです。

購入したキーボードを自宅と職場で併用したい場合、シンプルな話ですが社用PCへの外部ソフト任意導入が許可されていなければ互換性の確保が不可能となります(上述のようにキーアサインの変更が必要となるため。導入不可の場合、そもそもドライバさえNGかもしれまけんが……)。
職場に併せて妥協するのは癪かと思いますが、併用を考えている場合は確認したほうが穏やかでしょう。
ちなみに筆者はMac環境ですがMac用キーボードを購入したことがありません。Windows用キーボードの在庫ばかりが目の前に現れるからです。

Q.  メカニカルキーボードの軸自体は交換できますか。
A.  「Hotswap」と記載された製品であれば軸交換に対応しているみたいです。
上述の通りメカニカルのデファクトスタンダードであったCherry社の技術特許が2013年に失効しているため様々な企業がメカニカルスイッチ開発に参入していますが、どちらも基本的にはCherry社の規格を踏襲しているようなので現状スイッチの規格については深く考えなくても良さそうです。筆者はXvideosで時々「Swap」と検索しています。

Q.  製造元が違っても軸の色毎のキャラクターは共通ですか。
A.  全然共通じゃないです。

Cherry社の軸色イメージを踏襲する企業もあれば、同色のグラデーションで荷重の違いを示すもの、そもそも統一性がなくシッチャカメッチャカになっているものなど様々です。カスタムキーボードを自作する場合色々調べていくうちに察しがつくとは思いますが、軸色に関しては特にCherry者を参考にする必要はないです。

Q. メカニカルキーボードのキートップを交換したいのですが、何か規格はありますか。
A.  軸の製造元(モデル)に合わせて規格が存在するようです。

こちらは軸とキーの接続規格ではなく、各キーの縦幅、横幅の規格についてです。基本的にメカニカルスイッチはCherryプロファイルを参考にしている場合が多いと思われるので、Cherry MXレイアウト用の製品を選べばあまり問題は起こらなさそうです。

ちなみに筆者はキーキャップを肉厚にすることで打鍵音をまろやかにしようかなと画策しているので(海外ではCleamyなんて書かれてます)、BOWから出ているPBT製のDoubleshotを導入してみようかなと考えています。

Q.  何の軸を採用しているか分からないメカニカルキーボードがあります。
A.  触ってみて気に入れば問題無いですが、独自規格の可能性があります。

6000円前後の価格帯などにおいて、採用している軸の色やモデル名が記載されていない場合があります。上述の新興企業による低価格軸のほか、自社設計、OEMなど諸々可能性が考えられますが……実際に触ってみて問題なさそうであれば大きな問題はなさそうな気がします。
ただし上述のようなキートップの交換を行いたくなった場合に、キーピッチが独自規格となっており互換品が見つからない、といったケースはあるかもしれません。

Q.  メカニカルキーボードがどれも虹色に光っているのですが……
A.  あのふざけた光は大概OFFにできます。

奴らが下品な虹色に光るのはゲーミングPC文化のせいです。交感神経が刺激されるとかなんとかでありとあらゆる全てを虹色に光らせます。どうしても購入したいモデルにLED発光が搭載されている場合は、OFFにできるか確認するとよいでしょう。
またLED発光自体の価値が価格に載せられている場合があるため、不要であればそもそも搭載されていないモデルを探したほうがよいかもしれません。

Q.  そもそもイチからキーボードを組み上げることは出来ますか。
A.  出来ます。

「キーボード 自作」で検索すれば山程ショップや制作記が掘り出せます。レイアウトや機能は自由自在のようで、極端に省スペースなモデルなども作成でき筆者も興味モリモリですが……スイッチ以外にも謎の緩衝材を何枚も差し込んだり、スポンジを接着したり、全スイッチを分解してグリスを塗り込んだり、果ては基板の裏全面にテープを何層も張り込んだり……明らかに沼なため見なかったことにしています。
基本的にはメカニカルキーボードがベースとなっているようです。静電容量無接点方式でも自作は可能なようですが、有志がガレージキットを出すなどに留まっておりハードルは相応に高そうです。

上述の特許切れによりどの企業でもCherry社水準のメカニカルスイッチまでなら無料で技術を獲得できる状態となっているため、市場の拡大、技術競争が著しいのが現状のカスタムキーボード界隈です。カスタムキーボード専門のYoutubeチャンネルの登録者数がエライことになってたり……
例として「超高級&定番メカニカルスイッチ」として著名なZealio V2などはCherry規格を用いながらも打鍵感があまりにも優れているため「静電容量無接点を超えている」なんて言われてたりします。
安いものだと2万円もあれば組めるかな、といった価格感で、工作難度自体もそこまで高くは無さそうなので、興味があれば手を出してみてもそこまでリスクは無さそうだなというのが筆者の印象です。

Q.  Mac(Windows)の日本語入力が頭悪いのですが。
A.  Google IMEをブチ込みましょう。

Windowsはまだマシかも知れませんが、10年代中頃から日本語入力においてMac純正のIMEは目にも明らかな程ポンコツになりました(日本語分の開発元が海外になっちゃったとかなんとか)。
変換やサジェストに不満がある場合は文字入力の頭脳、IMEをGoogle IMEに変更してみるとよいかもしれません。
Google IMEは無料で使用可能です。Z+「。」で「…」が打てるなどささやかな便利機能が詰まっていて個人的には大好きです(ゴリ押し)。
キーボードとは直接関係ないトピックですが、ふと思い出したので記載します。





◯結論


もしあなたが日頃キーボードに意識を向けることなくPC付属のメンブレン式やパンタグラフ式、もしくはノートPCのキーボードを使用しているなら、せっかくなので近所の家電屋やPCショップに出向いて展示品をカチカチ触ってみてもらいたい。きっと今使用されているキーボードとは格別の違いを感じることが出来るだろう。
新品で購入するとなれば諭吉が必要になってくるが実用品だからと侮るなかれ、特に在宅勤務で手元がキーボードにべったりな場合などには、疲労軽減や高速化などの実用性と心地よい打鍵感といったエンターテイメント性が一挙に現れるメリットは計り知れず、騙されたと思って買ったが最後、あっという間に投資分を取り戻すことができるだろう。タイピング自体が快感になるってマジでヤバくないすか?マジで。

特別なアイテムを購入する場合に一生モノを手に入れたがる筆者のような人間性であれば、ぜひ静電容量無接点方式の購入をオススメする。耐久性が半端ないうえに脱糞モノの気持ちよさ、味わう以外に選択肢はないと思うのですが……(布教)

そこまで気合は入らないものの付属キーボードからランプアップさせる気が湧いてきたあなただったり、実際に触ってみてメカニカルの方がしっくりきたあなただったり、バリバリカスタマイズに興味が湧いてきたあなたなら是非メカニカルを。筆者のように中古を買ってもいいし、腰を入れて新品を買ってもいい。

タイピングがエンターテイメントになる効能はマジで絶大だと思うので、改めてこれを機会に家電屋へ足を運んでみてください。
頼んだぞ!




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