不実の獣_2023/5/8


今日はゴーヤーの日だそうだ。
___誰も驚きはしない。

標準和名を『ツルレイシ』といい、
果実の外観がレイシ=ライチに似るつる植物であることから
名付けられたという。
個人的に、全然似てないと思う。
色も違うし、形も全く異なる。
イボイボ感だけじゃん。

我々が普段食べているゴーヤーは未成熟な果実である。
女盛りが19なのだとすれば、大体16、7くらいのものを
いただいていることになる。
苦味も相まって、背徳的な果実という印象が
強まってきたのではないだろうか。
あんまり声高に「オレ、ゴーヤーめっちゃ好きなんだよねー」とか
言わないほうがいいっすよ。
私みたいな輩にロリコン認定されちゃいますよ。
されたところで?




さて、ゴーヤーと聞いて思い浮かぶのは、
ウリミバエと不妊虫放飼のお話である。

細かい点は省き要点だけ説明すると、

人工的に不妊化した害虫を大量に野生にばら撒けば、
その害虫はいつか絶滅するやろ

という考え方に基づいた駆除方法である。

簡単に説明しているが、
その実現にはさまざまな困難があったはずである。
しかし今日はその困難には触れず、この駆除方法の考え方のみに着目したい。



いや、エグくね?



初めて不妊虫放飼の手法を耳にしたとき、
私は人類滅亡を目論む悪の組織にも
同じアイデアを持つ奴がいたらどうする、と恐れ慄いた。

つまり、

不稔の美女をつくり出し(または美女を不稔にし)
そこにあらゆるオスをまんまとおびき寄せよう

という算段である。
なんか、既にありそうだなこんな話。
もし心優しき有識者がおりましたら、ぜひ私めにご教授ください。

『美魔女』『熟女好き』あたりの語が流行ったのも、
どこかの陰謀論者がヒトという種に対して
不妊獣放飼をしているとしか考えられない。きっとそうだ。
※冗談です

(ちなみに『イケおじ』という語の流行はこれに該当しない。ヒトのオスは造精をやめない。厄介ですね本当に。)




“子ができない”ということを発端に、かつてあれだけ円満だった夫婦仲が徐々に徐々に悪くなっていく、という話は虚実ともによく耳にする。
不妊治療という分野だって、そういった不和の歴史が突き動かした学問だろう。
学問はいつでも人の望みを叶えるために発展するものだ。その望みが善良なものにしろ、悪辣なものにしろ。そもそも物事の善悪は時と共に流転する。

要は、不稔であることは不実であると考える者がいるということである。
子どもは、愛のある二人のもとを選んでやってくるのよ、と。

安心してください。そんなことありません。

愛のあるうまずめが存在しないのではなく、
周りがうまずめに愛を与えぬのだ。

種の個体数維持に直接貢献できないことが、
愛を受けられないこととどう関係するのか。
カモやカラスも死姦する世界だぞ、この星は。

最後に、かっこいいこと言って終わるか。

人は、その人の或る特徴のみをもって愛から隔たれてはならない。

___決まった。今日はこの辺で。




【ちょっとした注意】
ツルレイシはマウスでの実験で、摂取による妊娠阻害作用及び堕胎作用が認められているそうです。人間が通常食べる量では問題とならないとされていますが、気に留めておくと良いかもしれません。私は栄養学・植物学に関してはズブの素人なので、鵜呑みにせず、有識者のご意見を参考にしてください。個人サイトは信じるな。

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