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気管切開チューブの離脱や管理中の合併症について

気管切開の適応や合併症について他のスライドで説明しました。
しかし、その後の管理については明確な基準でチューブの離脱や合併症の管理について説明したものは少ないです。
これについて詳しくスライドを作ったので参考にしてください。

簡単に言えば、気管切開の適応を離脱すればチューブを抜去できる訳ですが、
その間のスピーチカニューレはどのタイミングで適応になるか?、嚥下はさせても良いのか?などについても説明していきます。

合併症について、最も危険なものは気管腕頭動脈瘻からの気管内出血です。
循環不全と呼吸不全を同時に来すため、発症すれば致死的であり死亡率は100%とする文献もあります。
治療としては、一次的にステント留置などの処置も考慮されますが、基本的には根治的な腕頭動脈離断術の施行が必須です(ステントでは感染、再出血のリスクが高い)。この際、脳灌流の評価を行い、必要に応じてバイパス血行再建術の施行が必要となります。

それ以外では肉芽の形成、内腔の狭窄などで管理上困ることが多いと思われます。
多くの原因がチューブの不適切な留置と不適切な吸引に伴う合併症です。
適宜CTやファイバーで位置確認を行い、必要ならチューブの挿入長を変えることができるものに入れ替えること、吸引のガイドラインに基づいた愛護的吸引を行うことを徹底する必要があります。


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