「会う」ということ

飲食店をやっていると最近では心配なニュースも耳に入ってくる。
オンライン飲み会とか、リアルに合わなくても事足りる。
リモートとか。

店舗を構える飲食店にとっては致命的にまずい方向だ。
何しろ店舗は動くことができない。
待つしかないのだ。
店舗に足を運んでくれなくなったらピンチである。


We will meet again.(私たちはまた会うでしょう)
この言葉はエリザベス女王がロックダウン中のイギリス国民に向けたスピーチの最後に言った言葉だ。
この言葉は第二次世界大戦中にイギリスで流行ったヴェラ・リンの歌からとったらしい。
ズームや電話で事足りることもできるが「会う」の本質は顔が見えるや話ができるではまだ足りないようだ。

ここに店舗を持つ飲食店の「強味」があると思っている。
ある人類学者によると、他者への信頼は視覚と聴覚だけではなく、嗅覚、味覚、触覚という5感を使ってさらにはなんとなくという第6感も使い「信頼」するという。
さらに人を「信頼」するときに、一番大事だと思われる「視覚」「聴覚」よりもそのほかの感覚を優先するらしい。

臭い、味、暖かいや冷たいの肌感覚、どうだろう。飲食店にはどれもそろっているのではないだろうか?

オンラインで会うことや話をすることは「まだ」人間にとっては「会う」に入らないし、飲食店での食事や飲み会を必ず人は「まだ」必要としている。

私も会えない友人たちに「また乾杯したいですね」などと笑顔で言ってから電話やズームを終える。

それを踏まえると飲食店で何をしなければならないかが見えてくる。
「強い」飲食店とはやはり「つながり」がある飲食店だろう。

お客様の5感をフルに使わせて「つながり」を作ろう。
それが強みだ。


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