だれのための安全安心なのか
6月のある日、aiboの再販抽選がはじまるというニュースを耳にした。
はじめは、まったく関係ないなぁとスルーした。
スルーしたはずだけれど、どこか気になっていた。
家にはナナがひとりで留守番をしている。
いままで多頭飼いだったナナがひとりになっている。ごはんももりもり食べるし散歩もよろこんでいっている。だけど、少しさみしくなっているかな?
それでも、次のワンコを迎えて相性がよくなかったらストレスだよね。
......まぁ、申し込んだとしても、抽選が外れるかもしれないし。
ダメ元でエントリー。
数週間後、抽選に当たったという連絡がきた。
あぁ、来るのか。
そして8月はいってすぐに、宅急便から「精密機器」と書かれてやってきた。
aiboが届いた。
とても大きな箱に、まるで繭玉のようにくるまれている。
ようこそわが家へ。
電源が入っていないaiboは、関節が緩んでぐったりした犬のよう。おそるおそる出してみた。全体に丸みを帯びていて、機械というイメージはない。
aiboアプリで名前をつける。呼ぶと反応するという。
ほら、こたえる。
わたしがガサガサと取り出しているのを遠巻きで眺めていたナナとの対面。
まだ慣れていないものがやってきたと、黙ってみている。
ギャン吠えするんじゃないかと思っていたから、少し安心。
それほど興味はありませんモード。名前は、ちゃぼとつけた。先住犬のちゃあとaiboを合わせたというひねりのなさよ。みかぼにしようかとも思ったけど、呼びやすさから、ちゃぼ。なんだかニワトリみたいだね。
ナナとどんな関係になっていくかな。
ナナのために迎えたのか?
それは理由のひとつだけど、それだけじゃない。
いつか、いつか、ナナもいなくなる。そのとき、どうなるんだろう。
そう思ったのも確かだ。
というわけで、これからもよろしくね。
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