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和尚さんの災難

一年に3回、春と秋のお彼岸とお盆にだけ、お寺さんにお参りに来てもらっています。

 お仏壇はこの日だけは埃を拭い、お花を飾り、果物とお菓子とお仏飯をあげ、お水を替え、和室を掃除します。ついでに玄関と、まれにトイレを貸してほしいと言われることもあるので、トイレ掃除もします。お布施とお茶とお菓子も忘れずに用意します。


  そうやって準備していたけど、この前のお彼岸お参りの日は、予定の時間を過ぎても来られません。気さくでお話好きな和尚さんなので、時間が延び延びになることはよくあります。その日は午後遅い時間だったので、余計に押しているのでしょう。

  予定を30分過ぎた頃にやっと来られました。さっそくお参りをしていただきました。
仏様に向かってのお参りが終わって、和尚さんがこちらを向かれました。
  その後お茶をお出しするのですが、だいぶ前に私がそのタイミングでお茶を取りに行こうとした時、和尚さんが「あ、ちょっと待ってください」と、続きで説法をして下さったことがあったのです。

 それ以来、私は少し待つようにしているのです。その日も一瞬、間があった後、資料を使ってお経の解説を始められました。

部屋が冷えていなかった

 
 事前に夫がエアコンを入れていたのですが、少し寒いように思いました。それで来られる前に、私が室温を上げていたのです。

 私にはちょうどいいと思ったのですが、お経が終わった後、和尚さんは「マスクをしてお経を読むと、暑くて・・・」とご自分の扇子を出してあおぎ始めました。

  その時にすぐ、エアコンの温度を下げるように夫に言ったら良かったのですが、言いそびれました。(私の座ってい場所は遠かったので)
 私は気になってお経解説に身が入りません。途中で夫が気がついてエアコンを操作してくれました。でも、それほど変わらなかった。


こぼれるお茶と堅い煎餅

 和尚さんは「まだこの先解説はあるのですが、次の訪問があるので・・・」と途中で終わられました。その段階でお茶をお出ししました。
 「お布施、お茶、お菓子」の3点セットです。畳におぼんをそのまま出すのですが、膝の悪い私は、座るときにおぼんをうまく置くことができずに、お茶が少しこぼれました。それを和尚さんに気づかれました。「おやおや」「すみません!」
 あわててティッシュで拭きました。

 

 お菓子は、この前、出雲大社で買った煎餅「お福分け」が残っていたので、それをお出ししました。いつもは持って帰られるのですが、その話になったので、和尚さんは「いやあ、お腹がすいていた」と、その煎餅を食べ始められました。

 「お福分け」は少し堅いのです。和尚さんは「この前、固い煎餅を食べて歯が欠けまして」と言います。歯が悪いのに、固い煎餅が好きなのだそうです。でも、大丈夫だったのでしょうか。心配になりました。


 時間がますます押す

それでなくても、時間が押し押しのはず。まだ次があるということで帰られました。ひょっとしたら、我が家では、お経解説はしないつもりだったかも分かりません。資料だけ渡して。
 でも、私がお茶を出すタイミングをずらしたので、やることにされたのかも分かりません。
あの、お経が終わった後の「一瞬の間」を思いました。

 いや、せっかくのお彼岸。解説も予定されているなら、ちゃんと聞きたい。でも、今日はね。少しお疲れのようにも思ったので、気を利かしてもよかった。

 

 とどめの豪雨

 その日は曇りで、雨もそれほどではありませんでした。和尚さんはバイクで移動されるので、帰られるときに「雨でなくて良かったですね」と言いました。

 しかし、帰られて10分か15分くらいした時に、急に雲行きが怪しくなり、突然、雨が降ってきました。それもドドドドと落ちてくるような大雨です。

 「和尚さん、大丈夫やろか」
 急に降ってきたので、カッパなんか着る暇なんかない。走っていればずぶ濡れです。「次のお参り先が近ければ、もう着いていて濡れないで済んでいるかもしれないけどね」と夫と言い合いました。どうだったのでしょうか。ちょっとずつ時間がずれたものなあ。


 
 というわけで、間が悪い日だったかも分かりません。でも何回も来てもらっているので、そんな日もあるよな、とあれこれ悩まないことにしました。

 お参りも、「お寺さんの方でやってほしい」という檀家さんが増えてきたとのことです。そのための振込用紙も送られてきます。我が家はその日がないと、どうなるか。

 お仏壇には夫の両親の写真が並んでいます。一年に3回だけきれいになるお仏壇。すみません。さて、お二人はどう思っているのでしょうか。



見出し画像はお借りしました。
彼岸花。我が家の庭にも以前、ばーちゃん(義母)が九州から持ってきたのが咲いていた。赤と白の。

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