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映画「テレビで会えない芸人」を見ました。詳しい報告。

 今日は楽しみにしていたドキュメンタリー映画、
「テレビで会えない芸人」を見てきました。

 全市あげてのクリーンアップ大作戦の日だったのを
すっかり忘れていて、「ゴメンナサイ」だったですが。

  映画館は隣の市にある、こじんまりとした映画館です。
見終わって、いやあ、感動でした。
想像していた以上で、私は見ながら泣いていました。

  何が良かったのか。
どんな映画だったのか。

  私のつたない文章でどれだけ表せるか心配ですが、
印象の強いうちにまとめてみたいと思います。

そうです。これ、詳しすぎるので、ネタバレします。
また見に行っていない人は読まないでください。
(そんなに読まれていないから心配ないか)

  

出会い


 私が芸人松元ヒロと出会ったのはもう5年以上前、
もっと前かもわかりません。 
 京都であったピースナインコンサートに行った時です。
今の政治を批判しながら笑いで吹き飛ばす話芸、
自分が憲法になって前文を詠い上げる「憲法くん」が最高で、
それこそ涙を流しながら笑ったことを思い出します。

 それ以来ピースコンサートには行っていたのですが、
中心的存在だった笠木透さんも亡くなり、
ヒロさんの舞台はここのところご無沙汰です。
 

 でも、ヒロさんのことはずっと応援していて、
今回の映画も、やっと自分の近くで上映するので楽しみにしていました。

 映画は鹿児島テレビが密着して作ったドキュメンタリー番組が最初です。
それが映画になりました。

 舞台に向けて稽古する姿、舞台の映像、自宅での様子、奥様とのやり取り、そして鹿児島での舞台、高校時代の恩師を訪ねるところ、など松元ヒロの素の姿、素顔を映し出しています。

① 一番の感想。ヒロさんは優しい!


 とてつもなく周りに優しい。
特に弱い人、少数派と言われる人々、国のやっていることをもろにかぶる人々。
そんな人々に向ける目が優しい。

 話の内容、そしてその柔和な笑顔にも表れています。
改めて思いました。思い直した、かな。
 

感想その2.松元ヒロの芸は一流であり、唯一無二のもの


 ザ・ニュースペーパーの時から、政治への風刺、ツッコミなどはもう言うまでもありません。
形態模写もですが、絶妙なタイミングで繰り出すセリフ、笑いの視点に、
笑うつもりがなくても笑ってしまいます。
そして、ほろりとします。
 
 私は松元ヒロは、陸上とパントマイムで培われた、身体のキレと動きが持ち味と
勝手に思っています。
 そして、テレビに出ないから、忖度も遠慮もなくズバリと言ってのける。 
 松元ヒロは言います。
「空気を読むんじゃなくて、ちょっとおかしくないかいって言うべきなんです」 
 
 パンフレットに制作・監督された鹿児島テレビの方々のコメントが載っています。
「テレビで会えない」つまり、「テレビで放映できない」
 それはテレビが萎縮していないかとつきつけられている、と言っています。
  
  私は、テレビ側の人間からするとそういう思いなのか、と思います。
しかし、もはや「テレビで会えない芸人」というのは、松元ヒロのキャッチフレーズになっています。この映画でも全国に広まるでしょう。
 なので、私は深い意味を考えずに芸風を表す言葉としていけばいいんじゃないかな、
と思いますが、これは個人的意見で。

感想その3。唯一無二というところ


 松元ヒロは政治や社会風刺だけではありません。
今回は舞台で、渡辺一史さんの本、『こんな夜更けにバナナかよ』を紹介しています。
筋ジストロフィーの鹿野さんのお話です。

 私、この本買ったのですが、まだ読んでいないのです。
ヒロさんの持っている本を見て、びっくりしました。
付箋だらけだのです。
どれだけ読んでいるのか。
どこをどう話すか、考え抜いていると思いました。

  その稽古の時、まだまだ自分のものになっておらず、苦悩する姿。
でも、本番の様子がありましたが、見事!
すっかり自分のものとして演じ、笑いもしっかりとありました。
さすが!
 これぞ芸の道ですね。

  それで思ったのです。
松元ヒロは、社会風刺と、伝えたい世の中のこと、その二本立てである。
その切り口と語り口と、かもしだす雰囲気。
それは松元ヒロにしかない、唯一無二のものであると。

  だからヒロさん、これからもやっていけるね。
みんなに支持されていくよね。 
 ・・・なんというため口なんだ、あんた誰?て言われますね、すみません。

感想その4.家族がいい!


いやあ、長くなっています。初めに断っておけばよかった。まだまだ続きそうです。

家族。奥様がいいですね。全然気取ったところがなく、自然体で。
 苦労を共にしてきたとのことです。
 毎日手作りのおにぎり弁当。
 泣けるなあ。

 でも、きっと奥様は「特別なことはしていない」というでしょうね。
 
息子さん。高校の先生をしておられるそうです。
 教職をめざしたこともあるヒロさん。息子さんがかなえてくれましたね。
 (ってありふれた言葉だなあ)
   
 でも、立派な息子さんです。いやホントに。
 (ってこれも近所のおばちゃんが言いそうな言葉だ)
 
 「父が誇りです」これも泣ける。

感想その5 永六輔さん


 この映画で私が最初に泣いたのは、永六輔さんが出てきたところです。
永さんとは何回か舞台でお会いしたことがあります。(こっちはもちろん舞台下)

 宵々山コンサートの時。
阪神淡路大震災の割とすぐ後に、とあるお寺でコンサートをした時。

  永さんが素晴らしいと思うのは、
ご自分の価値感を大事にしておられたのではないかと思うのです。

 物事を見る時に、周りに左右されないで、自分がどう思うかということを大切にされた
と思っています。
永さんの言うことは信頼できるような気がしました。

 永さんも周りに優しい方だたと思います。

感想その6.再会の場面が良かった。


 高校時代の恩師を訪ねる場面も、
 同級生で、一緒に活躍したすわ親治さんと飲むあの場面も良かった。
 先生のあの笑顔!

感想その7 ヒロさんの言葉
 
  映画の中でヒロさんはいろいろと語ってくれていました。
暗い中で書きとめられなかったのが残念。

例えば苦労時代に失敗もたくさんして「恥ずかしい事ばかりの人生」とか、
令和になり、「浮かれているだけではダメ、何も問題は終わっていないよ。誰かが水を差さないと」
ニュースペーパ―時代にいろいろあった杉浦さんを病床に見舞いに行ったときの話。
「話しているうちにどろどろしたものがフッと浄化された」
「いろんな人のおかげで今の自分があるなと思ってね」


終わりです。最後に一言。


 ヒロさん、最高にかっこよかったです!
それと、お身体には十分に気をつけてくださいね。

身体が資本ですから!

追記:いささか感情が入り過ぎていますかね。
映画を見終わったすぐに書きましたのでご容赦を。

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