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小林秀雄を読む日々

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『小林秀雄全作品』全32巻を、あきれるほど丁寧に読んでいきます。まず「『私の人生観』にたゆたう」を完結。新連載を準備中です。
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#美を求める心

はじめての小林秀雄

「批評の神様」とよばれる小林秀雄を読んでみたい。しかし、レトロな表紙の文庫本『モオツァル…

既視の海
1年前
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「批評」の平静と品位こそ「美」である

話を『私の人生観』本文に戻す。 小林秀雄は詩人リルケの言葉を用いて、「美」についての考え…

既視の海
1年前
3

読んだだけでは駄目だ。眺めるのが大事なのだ。

「読んだだけでは駄目で、実は眺めるのが大事なのだ」とは、いったい、どういうことだろうか。…

既視の海
1年前
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感動は分析できない。そこで文章が生まれる。

絵を描く芸術家も、絵をみる側も、一人一人の個性は違う。だが、優れた芸術には共感できる普遍…

既視の海
1年前
3

「美しい」と「きれい」は異なる

「美」は解るものではない。「美」は求めるものだ。観念でも通念でもなく、眼の前にあるものを…

既視の海
1年前
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「美」は解るものではなく、求めるもの

小林秀雄が「美」という言葉を持ち出すと、途端に心が慌ただしくなる。 美しさ。美学の萌芽。…

既視の海
1年前
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詩人が投擲するものは

何の予備知識も先入観もなく、小林秀雄の『オリムピア』のこの部分を読んだとき、これは何なのだと驚いた。しばらく黙り込んだあとで、気がついた。これは詩なのだと。 引用したのは、もともと一つの段落に収まる文章であり、散文である。それを句読点で改行し、適宜空行も入れてみた。すると、4連からなる現代詩だと言っても通じる。小林秀雄の文章にしては、読点がちょっと多いような印象なので、さらに読点を削ってしまえば、もっと詩の様式に近づくだろう。 オリンピック選手にとっての砲丸のように、我々

われわれはどれだけ進歩したのだろうか

経験を重んじ、そのうえで自分の感覚を大切にせよ。しかし、経験の味わいなんて、すぐには解ら…

既視の海
1年前
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沈黙を言葉にする

経験を重んじよ。そのうえで自分の心に浮かぶ感覚を大切にせよ。信じるによせ、疑うにせよ、経…

既視の海
1年前
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