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Webちくまに連載していたときから楽しんでいた小林エリカ『彼女たちの戦争——嵐の中のささや…
書けない苦しみ。溢れ出る驚き。 のちに偽詩人と呼ばれた吉本昭洋は、いずれも味わった。詩人…
グレイス・ペイリー『人生のちょっとした煩い』を読む。 グレイス・ペイリーが生涯で3冊しか…
1931年の冬の日、オーストリア・アルプスの麓で、壮年のエッガーはふとした予感から、山小屋で…
「批評の神様」とよばれる小林秀雄を読んでみたい。しかし、レトロな表紙の文庫本『モオツァルト・無常という事』は何だか難しそう。大学入試センター試験で読んだ批評『鐔』はチンプンカンプンだった。それでも、何だか気になってしまう。 なぜ小林秀雄に惹かれるのか。歯に衣着せぬ物言いでバッサバッサと対象を斬り、飛躍した論理も何のその、高尚な逆説は小気味よく、あまり意味は分からないけれど、どこか分かったつもりになってしまう。そんなカタルシスを感じたい。かつては、そういう読者も多かったという
音のない輪舞曲が耳から離れない。 世界が氷に閉ざされる直前のモノクロームなパ・ド・トロワ…
来日後たった3年の台湾出身作家が詩情あふれる日本語で書いた小説。 そういう見方が、好きじ…
登場人物の感情移入と物語への没入だけが読書の楽しみではない。運命であれ因果であれ、人間関…
拝啓 足早に2月が逃げ去っていきます。忙しいとは心を亡くすことだとは、よく言ったものです…
我を忘れるほど気持ちと物語にのめり込むのが小説を読む楽しみならば、今回は難しいだろうと考えていた。著者と主人公はともに外国を出自とする若い女性で、同性愛の物語を、純ジャパニーズでヘテロセクシュアルの中年男が読むのだ。 主人公を語り手はずっと「彼女」と呼び三人称で書いているが、そんな死への執着を独白するように物語ははじまる。死ぬことにとらわれ、なぜ自分が生きているのか分からない。幼いころからそう考え続けてきた台湾人の主人公・迎梅。小学4年生のときに惹かれた丹辰によって同性しか