ロベルト・アンプエロ『ネルーダ事件』
「ネルーダ週間」も終盤にさしかかる。映画を観たり、詩集を読んだりしながら、参考文献を紐解いたり、ニュースを調べたりして、南米チリの詩人、パブロ・ネルーダの全体像がぼんやりと浮かび上がってくる。
批評家の小林秀雄は、文芸時評から出発したものの、絵画や音楽、能などにも批評の対象を広げた。そのとき、伝記を読み、書簡を読み、行き着く興味は作家の「人そのもの」であり、生活となる。作家の坂口安吾との対談でも小林秀雄は語る。
そんなことを思い出しながら、ロベルト・アンプエロ『ネルーダ事