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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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#随筆

オリガ・ホメンコ『キーウの遠い空 戦争の中のウクライナ人』

2022年2月24日の、ロシアによるウクライナ侵攻から2年。いまさらながら今春、ウクライナからの…

既視の海
1か月前
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早川義夫『海の見える風景』

「一年前、妻が癌になって初めて、そばにいてやりたいと思いました。しい子は3月28日に亡くな…

既視の海
2か月前
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ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』中嶋浩郎訳

インド系アメリカ人で、短編集『停電の夜に』でピュリツァー賞作家となったジュンパ・ラヒリが…

既視の海
9か月前
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四方田犬彦『モロッコ流謫』

映画『シェルタリング・スカイ』を初めて観たのがいつだったのか、正確には覚えていない。主題…

既視の海
10か月前
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内田百閒「阿房列車」シリーズの『雷九州阿房列車』を毎年梅雨時に必ず読む。何も用事はないけれど三たび熊本の八代を訪れる百閒。ちょうど昭和28年西日本水害を引き起こした豪雨をすり抜けるように阿蘇、別府、門司を旅していく。可笑しく読みながら、この週末も九州の被害が拡がらないことを願う。

既視の海
1年前
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倉橋由美子『あたりまえのこと』を読む。もう何度目か分からない。40代と60代にそれぞれ書いた小説論。小説をおもしろくするのは「何を書くか」よりも「いかに書くか」。彼女の二人称小説『暗い旅』はその極み。強く薦める。あの村上春樹作品のラストを「ありえない」とばっさり斬るのも一理あり。

既視の海
1年前
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