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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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2023年11月の記事一覧

アゴタ・クリストフ『文盲 アゴタ・クリストフ自伝』

『悪童日記』三部作を読み、著者アゴタ・クリストフが、母語ではないフランス語で書くことの意…

既視の海
6か月前
25

アゴタ・クリストフ『第三の嘘』

少し感傷的になりながら、アゴタ・クリストフ『第三の嘘』を読む。『悪童日記』『ふたりの証拠…

既視の海
6か月前
20

アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』

いてもたってもいられず、アゴタ・クリストフ『ふたりの証拠』を読む。『悪童日記』の続編であ…

既視の海
6か月前
19

アゴタ・クリストフ『悪童日記』

読む本は、いつもゆくりなし。 先日来、「いま読書中」「一番の偏愛本かもしれない」という声…

既視の海
6か月前
18

Luis Poirot “NERUDA: Retratar la Ausencia”(パブロ・ネルーダ写真集)

1971年、ノーベル文学賞の受賞記念としてパブロ・ネルーダの自宅で開かれた夕食会。そこに招か…

既視の海
7か月前
26

ロベルト・アンプエロ『ネルーダ事件』

「ネルーダ週間」も終盤にさしかかる。映画を観たり、詩集を読んだりしながら、参考文献を紐解…

既視の海
7か月前
12

小説・辻邦生、銅版画・山本容子『花のレクイエム』を読む。毎月一つの花を主題にした文学と銅版画の交歓。死が分かつ切なさを書いた短篇が多い一方で、銅版画は抑えられた色彩でも華やかさがにじむ。打ち合わせなしで臨むがゆえ起こる共鳴とずれのいずれも心地よい。お気に入りは五月のクレマチス。

アントワーヌ・ローラン『ミッテランの帽子』を読む。さえない会計係、不倫中の作家の卵、スランプの調香師、時代遅れの資産家が次々と仏大統領の帽子を手にして運命を変えていく。洒脱な筆運びと固有名詞、歴史的事実で具体、具体とたたみかける。登場人物も読み手もみな幸せな気分になれるのがいい。

既視の海
7か月前
13

『ネルーダ詩集』田村さと子訳編

「ネルーダ週間」は続く。ようやく、本命である田村さと子訳編『ネルーダ詩集』を読む。 詩や…

既視の海
7か月前
21

アントニオ・スカルメタ『イル・ポスティーノ』

原作があったなんて、まったく知らなかった。 南イタリアの小さな島を舞台に、素朴な青年マリ…

既視の海
7か月前
40

クラリッセ・リスペクトル『星の時』

またひとつ、静かな物語。 クラリッセ・リスペクトル『星の時』を読む。 舞台はブラジル・リ…

既視の海
7か月前
29

エステルハージ・ペーテル『女がいる』

女がいる。僕を愛している。かつてはそうつぶやいたが、いまでは分からない。彼女は僕に、消え…

既視の海
7か月前
10