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書評

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ヨミタイモノ、ココニアリマス。
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2023年10月の記事一覧

『松本竣介 線と言葉』を読む。尾形亀之助詩集『美しい街』の挿画で知る。『運河風景』『並木道』に圧倒される。自分の眼で観たい。「戦争を描いても裸婦を描いても林檎を描いても画家の目が、厳然として永遠なものにつながってゐるか否かゞ大切だ」という言葉は文章や詩でも通じる。次は評伝を読む。

既視の海
8か月前
11

惣田紗希『山風にのって歌がきこえる 大槻三好と松枝のこと』を読む。昭和初期、歌人の男と女が愛し合い、結婚。子をもうけるが妻は逝く。その軌跡を詠んだ2人の生活歌に端正なイラストが添えてある。「束ねるにまだちと早い濡髪を 暫し吹かせる川風 のよさ」柄にもなく、読み終えて少し 泣く。

既視の海
8か月前
7

ジュンパ・ラヒリ『思い出すこと』中嶋浩郎訳

見えてはいるが、誰も見ていないものを見えるようにするのが、詩だ。 詩人・長田弘のこの言葉…

既視の海
8か月前
24

ジュンパ・ラヒリ『わたしのいるところ』中嶋浩郎訳

そう、こんな本が読みたかったんだ。 自分の好みを明文化しているわけでもないのに、そう思う…

既視の海
8か月前
24

ジュンパ・ラヒリ『べつの言葉で』中嶋浩郎訳

インド系アメリカ人で、短編集『停電の夜に』でピュリツァー賞作家となったジュンパ・ラヒリが…

既視の海
8か月前
15

アレン・ギンズバーグ『吠える その他の詩』柴田元幸訳

アレン・ギンズバーグ詩集『吠える その他の詩』(柴田元幸訳)を読む。 1955年10月7日。ア…

既視の海
8か月前
17

『詩人 吉原幸子:愛について』を読む。女性詩論やアンソロジーでは読んだことがあるが、吉原幸子の全体像がわかり心が震える。掲載詩では『これから』『日没』『街角』がいい。エッセイ『花を食べる』にも胸を射貫かれる。詩集も積読があるのに『全詩』が読みたい。とくにⅢの朗読CDを聴きたい。