Raccoon of the north sea(北海のアライグマ)

京都在住。基本反主流の天邪鬼。自由に動く鉄砲玉はその行く所を知らず・・です。 エッセ…

Raccoon of the north sea(北海のアライグマ)

京都在住。基本反主流の天邪鬼。自由に動く鉄砲玉はその行く所を知らず・・です。 エッセイ中心にたまに短歌俳句、小説など。また趣味の料理やクラフトビールの事なども書いて行きます。

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猫入り

(2172文字) 「猫入り」この聞きなれない言葉・・ 実は私の造語なんですが、よく調べてみると窃盗犯の手口の隠語としてあるみたいです。 それは猫が狭い隙間から部屋に入ってくる様を宛てているらしく、二階の窓から侵入したドロボウの取り調べ調書に登場します。 この世に絶対無い言葉だろうと思っていたのでちょっと驚き。 しかし、結局それくらいしか調べても出て来ないので、 「猫入り」は自信を持って私の造語であると主張します。笑 で、猫入りって何? それは、実のところ上手く説明す

    • 「S」と「H」

      久々の語源系です。 (1607文字) 「super(スーパー=超)」 よりもさらに強い意味で使われる接頭語 「hyper(ハイパー)」。 例えば「supernova(スーパーノヴァ=超新星)」 よりも激しい爆発を起こした新星を 「hypernova(ハイパーノヴァ=極超新星)」、 「supermarket(スーパーマーケット)」 よりも規模が大きなスーパーを 「hypermarket(ハイパーマーケット)」 と呼んだりします。 この 「hyper」 ギリシャ語起源の接頭

      • たまには短歌

        下の娘が小学校3年の頃、親に短歌を一首詠んでもらう・・と言う面倒な宿題を持って来た。 丁度今頃の季節で、家の中をぐるぐると見回してお題は無いかと思慮していると、ベランダにウチの猫が日向ぼっこをしていたので、それを詠んだ。 陽だまりに じゃれ寝転んだロシアンの 目尻に浮かぶやすらぎの色 翌日、娘はそれを学校に持って行き提出した。 その日の放課後、娘は職員室に呼び出され、何事かと思ってビクビクしていると、教頭先生が出て来て大そうに褒められたらしい。そしてお父さんにどんどん書

        • 続々猫入り

          猫入りっぽい動画を見つけたのでアップしますね。 上手く伝わらないと思いますが、このような懐き方をされると猫入り間近かもですね。 猫八の 頭繋げば 猫入りやん  (ネコライ・ニャンドリアノフ)

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          Moved soul No.02 +ずんだもん

          あの少年の話を「ワンコインストーリー」としてスピンオフ。 ずんだもんバージョンで試作してみました。 背景と音声は全く関係ないのですが、思い出の横浜と建仁寺を挿入してみました。 画面に気を取られて気が散るのがいかんですね・・笑

          続・猫入り

          (1376文字) 猫入り。 それはただひたすらに至福です。 まるでアフリカの草原でライオンの群れの中になんのストレスも無く受け入れられたような・・とでも言いましょうか。 もう思い出すだけでニヤニヤとだらしなく笑ってしまう・・・。(ウシシ) さて、数多の猫好き、猫飼いの皆さん、この「猫入り」に何だか興味が湧きませんか? きっと、「猫がそんな事になる訳がない」「それは偶然」「この嘘つき」 なんて思っている方も多いかと存じますが、この「猫入り」は間違いなくリアルに存在します。

          Moved soul No.02

          One coin story (1963文字) 北国のある駅裏のバスターミナルでのこと。 その日は小雪がちらつく寒い日だった。 僕は仕事を終えて帰りのバスを待っていた。 やがていつもの家路路線のバスが来て僕は乗り込む。 始発から乗る客の特権で最後列の私的指定席へ座る。ほぼ100%日々そこは確保出来ていて、たまにハズレると少しガッカリした。 やがてすべての座席が埋まり、通路もほぼ隙間が無いほどになるとバスは動き出した。 僕の目の前には坊主頭の野球部らしい高校生が立ってい

          FINE

          (952文字) では今日も懲りずに語源シリーズです。 ハリウッド映画では「THE END」で終わりますが、 フランス映画は「FIN」ですよね。 今日のお話はこのFINの広がりを覗いて見たいと思います。 で、英単語「fine(ファイン)」ですが「素晴らしい」「優れた」の意味の他に、「罰金」という意味を持ちます。 一体なぜ「罰金」と「素晴らしい」が結びつくのか? 「fine」の語源を辿ると、ラテン語の「finis(フィニス=終わり)」に行き着きます。「終わり」すなわち「最大限

          虫の話

          そもそも、虫偏がつく漢字には、戦後、当用漢字に含まれなかったものが多いこともあり、難しいものが多いです。 例えば「蟋蟀(こおろぎ)」「蟷螂(かまきり)」「蜉蝣(かげろう)」なんて、何も見ずに漢字で書けたらちょっと凄い。 私、「鬱」とか「醤油」は書けますよ!(えっ、どうでも良い?) 分類上「昆虫」に含まれない、「蜘蛛(くも)」「蚰蜒(げじげじ)」「蜈蚣(むかで)」なども虫偏を持ちますが、これらの小動物も感覚的に 「むし」の仲間には十分入るかと思います。(ムシデキナイ?)

          (1103文字) 2024.3.27 追記 寺田農さんが亡くなった。 彼の文学座時代に芥川比呂志からこう言われたと云う。 「とにかく本を読め、そして恋をしろ」と。 「恋をすれば心がときめく。情熱も嫉妬も恨みつらみも、涙も笑顔も全ての感情は恋に凝縮される」 この歳になって、確かにその通りだなと思う。 この世に溢れる様々な音楽、どれを取ってもラブソングだ。 能・狂言の世界でさえそういう事。 「恋愛」の歌詞に皆、老いも若きも自分の経験と想いを重ね合わせ、 切なさ、悲し

          Moved soul No.01

              「V」 (2597文字) その日の横須賀は曇天で、六月だと言うのにかなり蒸し暑かった。 僕はお昼過ぎに友人と横浜駅で落ち合い、京浜急行で横須賀へ向かう。 目的は単なる野次馬心で、その日の横須賀での大規模なデモを見に行く事だった。 相当な混雑が予想された市内中心部を避け、郊外の「汐入駅」で下車すると、もう既に目の前の海浜公園の広場では、大きな赤旗とドカヘルマスクの集団が海に向かって大声を上げていた。 米軍の海軍基地を望む公園から海上に目をやると、無数のゴムボートと恐

          いろ、いろいろ

          (949文字) 今回は日本に於ける色の表記について。 古代日本には色を表す言葉が 「赤」「黒」「白」「青」 の四つしかなかったと言われています。 実際、語尾に「い」だけをつけて形容詞になる色は 「赤い」「黒い」「白い」「青い」 だけです(「黄色い」「茶色い」とは言いますが「黄い」「茶い」とは言えませんね)。今回はこれら四つの色に纏わる言葉を見てみましょう。 「赤(あか)」は「明(あか)」 に通じる、日の光を表す色で、 「灯(あかり)」「証(あかし)」「空(あき)」 もそ

          アル・・お話

          ヘッダー画像:アレクサンドロス大王 (1201文字) 我々がお世話になっているキーボードの下の方に「Alt」と書かれたキーがあるかと思います。 これは 「alternate(オルタネート)」 の略で、このキーと文字キーを同時に押すことにより、単独で文字キーを押した場合とは「異なる」効果をもたらすキーです。 この「alternate」の仲間には 「alien(エイリアン=異星人、異邦人)」や 「alibi(アリバイ←異なる場所)」、「alias(エイリアス=別名)」 「a」が

          菜の花の話

          暖かくなって来ました。春なので菜の花のお話を少し。 「菜の花」って一体何の植物の花かってご存知ですか? 実は菜の花とは、アブラナを始めとして、その仲間である カラシナ、コマツナ、タカナ、カブ、ハクサイ、キャベツ など様々な植物の花の総称で、正に"菜"の花を意味すると言えます。 これらアブラナ科の植物には他にも ワサビ、ダイコン、ブロッコリー、クレソン などが含まれます。独特の刺激を持つカラシやワサビやダイコンが皆同じ仲間だというのも納得ですね。クレソンの香りも同じ

          ザクロ

          (807文字) 語源シリーズ、今回は「柘榴(ざくろ)」 1月の誕生石は「garnet(ガーネット)」、日本語では 「柘榴石(ざくろいし)」 と呼ばれます。これは、結晶の粒が集まった様が柘榴のように見えるから。 「garnet」の語源がラテン語の「granatum(グラナトゥム=柘榴)」 ですので、これを意訳したものと言われてます。 なお、英語では柘榴のことを 「pomegranate(ポムグラネイト)」 と言います。 世界遺産アルハンブラ宮殿で有名なスペインの

          カルボナーラ 追記

          (1136文字) 例のカルボナーラ風「肉野菜炒め」を何とか食べ終えた頃、丁度お店が暇になって来たので、僕はおじいさんにこの不思議な鍋について質問してみた。 おじいさんは、キラリと目を輝かせて「待ってました」とばかりに自慢の回転鍋について話始めました。 以下二人の会話。 僕:この鍋を作ろうと思った切っ掛けは何ですか? おじいさん(以後OG):いやぁ、実はもう体力が無くてさ、重たい中華鍋 を振れなくなってしまってさぁ・・。 おじいさんは若く見えたが、実はもう当時80歳で