トイレがない!
妙にリアルな夢を見た。
小便をもよおしたがトイレがない。
近くのビルに駆け込むと知り合いが業務をしていた。
『トイレ行きたいんだけどどこにある?』
『トイレ?あぁ、うちはもうトイレも執務スペースにしちゃってる』
見ると、便器の上にも書類が積まれており、トイレの空間にも机がひしめいている。
絶望して部屋を出ると男子トイレのプレートを発見。
『なんだあるじゃん』
入ると、便器の代わりに小さい皿が置かれている。その皿の中に小便してって事らしい。
近寄るとすぐ違和感に気づく。
皿の置かれた空間の天井が低すぎる。
高さ1メートルぐらいだろうか、とにかく最大限身をかがめないと近寄れない。
どの態勢でやれば上手くできるのだろうか、試行錯誤してると隣の皿で小便する人がやってきた。
『ここってこうやるのが正しいやり方ですか?』
聞いてみたら、そうだと。
さらに、専用のスマホアプリがあって、小便したあと、アプリを押すとなんと小便が浄化される仕掛けがあるとの事。
『私、アプリないのでちょっとここで待っててもらっていいですか?小便終えたらアプリ実行して欲しいです。』
彼は快く承諾。場所を変え、どうぞと。
『え?そこ?』
彼は私と皿の向かい側で待機した。
陰部モロ見えの真正面だ。
恥ずかしいが、言ってられない。
異様な状況に我慢し、皿に目掛けて小便をする。
『あっ!』
うまく皿に入らず正面の彼にひっかかる。
今思うとそりゃそうなるわなって思う。
服、全部弁償しますと平謝りしていたら、彼のスマホがなる。忙しいらしくすぐに戻れと言われたそう。
足早にそこを去ろうとする彼に
『君の名は?』
彼ははっきりと答えた。
『押(おし)です!』
押さんという知り合いはいない。
あの明確にはっきりと答えた苗字は一体何だったのか。
まだ知らぬ『押さん』に何らしかお返ししないと気が済まない。
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