獣道一直線!を見たよ

感想を書くのが久しぶりすぎて
取りまとめのない文章です。

ネタバレしまくり。
それでもいいよという人はどうぞ。

獣道一直線の中に自己肯定感が出てくるけど
出てくる人たちは自己肯定感より誰かに認めてもらいたいっていうのを感じた。
例えば藪中母が息子のヒロくんに依存するのはヒロくんしか自分を褒めてくれない。
一人でヒロくんを育てていても、誰からも褒めてもらえない。
父親がいないんだから、母親一人で育てるのは当たり前。
脇役三人も一生懸命やってるけど、周りにいつまで脇役なのかと言われる。
関かなえも家に閉じこもりっきりで誰とも話さない。家事をやっても褒めてもらえない。それが当たり前。
松戸かなえはすり身工場で同じことの繰り返し。頑張っても給料上がらない。何のためにやってるのかわからない。


獣道に出てくる人にサイコパスや異常者みたいな人はいない。
隣にいる人どころか、自分の身に覚えのあることばかりで随所に笑いが散りばめられて笑うんだけど
あれ?これって自分のことなんじゃ?と思う。

配信を見てからずっと考えてるんだけど藪中母と苗田松子について。
苗田松子は邪魔になった相手を付き合っていた男に殺させようとする。
藪中母は脱獄してきた野呂が邪魔で、自分が殺すと言いながら
ヒロくんが母ちゃんにはそんなことできない、俺がやると言ったら
すんなり引き下がる。
ためらうヒロくんに早くやれってけしかける。
母親と女、違うのに一緒のことをやってる二人。

私は子供いないし結婚もしてないから的外れな意見かもしれないけど
子供を産んだら、今までと同じようにはならないしいられないと思ってて
母親だから全部を我慢したり諦めたりする必要はないけど、しないといけない我慢や諦めはあると思ってる。
どこかで変わらないといけない。でも藪中母は、変われないまま生きてきたように見える。
じゃあ、いつ変われるのかと考えたら、最初に戻るけど母親である自分を褒められたときや認められたときなんじゃないかな。
そう考えると、苗田松子は誰かに褒められたり認められなくなったときに生まれる獣。

最後、脇役三人は自分たちを馬鹿にしたジャーナリストをミンチにする。

物語はここで終わるけど、このあとこの人たちはどうするんだろう。
想像でしかないけど、松戸かなえはブログをやったり本を出して面会人の誰かと獄中結婚。
関かなえは新しい相手を見つける。一人だけじゃなく二人三人と。
脇役三人は自分たちが納得できる作品を求め続ける。
それぞれの獣道を笑顔で突き進んでいく。


京極夏彦の魍魎の匣という小説の中にこんなやり取りがある。
「幸せになるのは簡単だ。人間をやめてしまえばいい」
「じゃあ、自分は一生幸せになれない」


私は一生幸せになれないと思いながら、
でも、いつか幸せになっていしまうかもしれないと思った舞台でした。


上手くまとめられないけど、言いたいことは
獣道一直線、面白いよ!みんな見て!です。

あと思いつくところだと
ラストの成志さんかっこいい。かっこいいが振り切れてる。
あとどつぼちゃんはアイドルになるために生まれてきた子。
プロデューサー役の格好した成志さん、どこかで見たことあるけど思い出せない。
舞台上に飾ってある写真、めちゃくちゃ欲しい。
ブロマイド化してほしい。
ラストのシーンは三人それぞれの顔を見たいから、固定カメラで三人撮ってDVDの特典にしてほしい。
あと次の公演はいつですか!?ずっと待ってるから!!






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