欠陥住宅から人生を学んだ話 Ep.2 欠陥住宅と言われた日
一言で欠陥住宅といっても、色んな現象がありますし
なにをもって欠陥というのか?というのは素人に理解が及ぶ話ではありませんが
「あくまでのうちの場合」の話を、説明いたします。
まずは私とパートナーが建てた家についてですが
・店舗併用住宅
・設計事務所と施工工務店は別の会社
・「デザイン性が高く、生活感のない、一見では住宅には見えない」ということを店舗経営の為に第一条件として発注しました。
ということをベースにご覧戴ければと思います。
そうして発注通りのとてもカッコいい!唯一無二の素敵なデザインの建物が出来ました。
家が建った当時、防犯の為の外灯ではなくて、建築物をカッコよく見せる為のライトアップがされて「い、家が照らされてる!!」と思いましたwww
広告がなくてもお客様が覗いてくれるような、本当に住宅だと思わない人もいる程の評判で、鼻高々でした。
しかし。
新築時から発生している不具合を是正する為の業者とのやり取りに疲れ、4~5年経過したあたりから、建物をお客様に褒めれられても素直に喜べなくなってしまっていました。
具体的にどんな現象がおきたかというと
まずは新築当初から、床下にあたる基礎の室内部分に水溜りが出来たり、壁面の一部に水?のような油分?のようなシミが出たり、木製にしていたサッシの一部から雨漏りが発生しました。
そんなトラブルが発生しては、是正してもらう。
しかし、数ヶ月経つとまた同じところからシミが発生、さらに別のところも変色していくということを繰り返し。
6年もの時間が経過した頃のことです。
ある日、大工さんの知り合いに6年分の状況を説明し、一通り家を見てもらうと「言い方は良くないですけど、欠陥住宅レベルですね。。。」とおっしゃったではありませんか。
然るべきところに相談した方がいいかもしれません。と。
「え〜、そうなんですね」その時は笑って返した私でしたが
「欠陥住宅」という言葉にとてもショックを受けていたのか、日毎じわじわと痛みが増していき、頭の中からその言葉が離れなくなってしまったのを覚えています。
6年間、不具合が発生しては、新築時の工務店に連絡を取り、
なかなか返信がなく、何度催促してもちゃんとした返信がないような調子だったので、大体一つの不具合に対応するまで3ヶ月から半年程度のやり取りがあって、
やっと是正の施工対応をしてもらっては、また数ヶ月後に不具合が別の場所に発生する。それを繰り返していく調子だったので
痺れをきらして別の業者(A工務店)に依頼したりしたこともありました。(費用は新築時の工務店に負担してもらうように交渉しました)
その際に原因を探る為に、壁を壊した状態で1ヶ月以上放置して水分がどこから来ているのか?水分なのか?などを探って、時間をかけて是正しても。
それでもまた、数ヶ月で同じ場所からシミが出てきたり。。。
6年間壁の変色と共に過ごし、発生する度にまたあの施工監督さんに連絡しないといけないのかぁ、、、とため息が止まりませんでした。
相談した大工さんの推測によると、その壁に発生するシミは、なんと基礎の中に浸透した雨水が、施工時に発生した空洞に溜まり、湿気を出し続けたことによる不具合でした。
おそらく、基礎の施工時に、打ち継ぎの処理(継ぎ目の処理)や、レイタンス処理(表面の処理)を行っていないということが水分がここまで入ってくる原因ではないかと「欠陥住宅じゃないか?」と言った大工さんは教えてくれました。
あまりのショックにまずは、新築時の設計者に電話をしてみました。
比較的今まではよく話を聞いてくれた設計士さんがため息まじりに
「その大工さんの言うことは少しオーバー過ぎる、新築時の関係者以外に相談するからそんな不安を煽ることを言われるんですよ、その方があっちもお金になりますし。そもそも新築時以外の業者を是正に入れることはトラブルのもとになるとアドバイスしましたよね?止めたのに、それをやったのはサンサンさんですよ。別の業者いれたのはいつでいたっけ?OOOO,,,」と少し面倒そうにこちらの言葉を遮るように喋り続けていました。
引渡し後の6年間の間、施工者はなかなか連絡が取れなくて、対応もとても遅く、信頼することが難しかったですが、設計士さんは相談に乗ってくれたり、アドバイスをくれたり、別の業者に依頼した際にも一度現場立ち会いをしてくれたりと
引渡し後もとても真摯に対応いただいていたので、とても冷たい雰囲気でため息まじりに電話で対応された時はとてもショックでした。
そして、よく話を聞くと、どうやらA工務店をいれた現場立ち会いの日に、新築時の施工者、設計者も立ち会ったのですが、その時にすでに大工さんが指摘したような「基礎の不良が新築時の施工不備だった」と全員が推測し把握していたことがわかりました。
「基礎打設時(新築時)にそもそも行うべき事がされていなかった」というそんな大切なことを誰も施主に説明することなく、基礎から水が入っているとだけ説明し、その場凌ぎの、部分的な是正を行い、費用や時間を最小限に抑えて問題を先送りにされていたのでした。
新築時の工務店、設計者、A工務店担当者の全てに対して
信頼が完全になくなってしまった瞬間でした。
なんでそんな大切な事!!
気づいたのに!
ちゃんと素人にも分かるように説明しないの?!
なんでそれを、新築時の専門家ではない人から「欠陥住宅」という言葉で伝えられないといけないんだ!!
心がえぐられるような気分でした。
新築時の施工監督さんは地面より低いところに水が入って来るのは普通。
特に問題では無いと言われて、設計士さんもそれを否定しなかったので、そうなんだと単純に思っていました。
だって、専門家が言うんだから。
そして新築当時は、水溜りをそのままにはしたくないとお願いして有料で防水塗装までしてもらったものだから、そういうものなんだと余計に思ってしまっていました。
でもそもそも、室内に水が溜まるなんてことは絶対ありえないことだと相談した大工さんから聞いて、知りました。
新築時から、本当のことを教えてくれていなかった事が良くわかったのもこの時でした。
うちの場合は水関係のトラブルがメインで、欠陥住宅という言葉を使う事は、今でも心に影を落としますが、あの大工さんがこの言葉を使ってくれたからこそ
私はとても強い心をもってこの日から動き出せたのではないかと思います。
なのであえてnoteでもその言葉を使っています。
欠陥住宅かどうか?
その判断は素人にはできません。
専門家でも、何を経験してきたか?何を大切にしてきたか?で
その判断に差はあると思います。
今回問題解決の為に、色んな人に話を聞きましたが
そのことをとても感じました。
それについてはまた次回。
では。
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