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「ゴッホ展─響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」展

雨の日曜日☔️
上野の東京都美術館で
『ゴッホ展─響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』
を見てきました。

作家は卓越した「感性の力」で
色彩も、時間も、場所も、人の心も
揺らして溶かして
キャンバスの上に、もうひとつ別の
新しい世界を創り描く。

鑑賞する私たちは作家により
再構成された世界の姿(絵)と
自分自身の経験との対比から呼び起こされる
深い知的快楽に、ためいきをつく😮‍💨

今回の展覧会は
ゴッホの作品を世界最大点数
個人で収集したという
へレーネ・クレラ=ミュラーさんの
審美眼と感性が見どころでした✨

ミュラーさんは
先に述べた深い知的快楽を
とてもたくさん享受した、
心豊かな人だったのだろうと
羨ましく思いました🤩

きっとその豊かな感受性で
身近な作家たちが抱える孤独を
ほんの少し解放した人なのではないか、と想像します。

ゴッホが評価されるだいぶ前
(つまりゴッホがまだ生きていた頃)から
作品を収集し出したミュラーさん。
最初のゴッホ作品を購入したのは
39歳の時だったとのこと・・・
39歳!
今年40歳になった自分と重ねて考えると
美術との接しかたについても
いろいろと考えさせられます。

なかでも彼女が収集した
《レモンの籠と瓶》の絵は
本当に素晴らしかった。
糸杉より、種を撒く人より、
僕は断然《レモンの籠と瓶》🍋🍾

会場パネルにはミュラーさんの
こんな言葉が添えられていました。

「『これはまるで天国のようだ』
というブレマーの言葉に私は心を打たれました。
ファン・ゴッホが描いたレモンを理解しようとするとき、
私の頭の中で数個のレモンをその隣に置いてみます。
そうすると、この絵が現実と
どれほど異なっているのかを感じるのです。」

本展示会では写真撮影が許可されていなかったので
ここに《レモンの籠と瓶》を
シェアすることはできないのですが、
興味が湧いた方は是非検索してみて欲しいです。
そしてミュラーさんよろしく、
頭の中にレモンを浮かべてみて欲しい🍋

ゴッホが再構成したレモン(世界)と
自分が認識している世界との対比がもたらす
心地よい驚き。

世界は目に見えているとおりではない。
世界はどんな風にでも広げることができる。

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