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渡れない橋(まだ会えない理由がある)

確か私は、仕事中におじいさんとおばあさんを自転車で避けて酷く転倒した
それは、2年前の冬。
野外を自転車で営業するという新しい試みに、私ははしゃいでいたのだ
浮かれていたとも言える。
正社員で働けるというこの上ない嬉しさだった。

それまでの私は、派遣社員であちらこちらとフラフラしていたのだ
主人を亡くしてから完全に糸の切れたたことなっていたし、母親との関係性や再婚して、すぐ別れた結婚は完全に私の思い違いだった・・・多分・・・
だから地に足をつけるという実感に意気揚々だ

なのにどうしちゃったの?・・・・

◇◇◇◇◇◇

人は突然死がやってくる、昨日まで大喜びして大きなケーキを頬張り
口が生クリームだらけになろうとも、突然死ぬんだ
私は、そんな突然死んでしまった主人を見送ったけどお別れは言えなかった
そんなことなら、もっと話をしたいことがいっぱいあったのに・・・
目の前で心電図が停止する音は今も耳の奥に残っている。

他人事のように思ってしんみりしていたら、私がなんと2回は仮死状態になるなんて考えてもみなかった
嘘みたいに「夏」病院に行く前に倒れて目が覚めたら「秋」だった
しかも、知らない病院知らない看護師さんやお医者さんがにこにこと

「せーきさん、おはよう」と声をかけてくる(怖い!)

そもそも、私は自転車事故で鎖骨骨折をしたはずなのに、(何故こんなにもチューブや酸素マスクなの?)

軽く宇宙人になったつもりがしたし、痛みが全身に反響しているではないか
どうしたんだ???

聞くところによると、私は7/31に倒れ瀕死の重傷意識不明でICUに2週間くらい居たらしく、私に話しかけていたリハビリの先生は

「関さん、全くちんぷんかんぷんで笑ってましたよ、今だから言えますけどね」とにこりと笑いながら、私の顔を見てそう言うのだ。


全くもって、キツネにつままれた気分だ・・・・

そういえば、私は決して降りることの出来ない電車に乗っていた
何人かの人に

「私この次の駅で降りたいんですけど!」
と伝えても、無言で笑うだけ・・・外の見えない旅館に居たり
プチホテルに居るんだけど、私は寝たままでいつも誰か来ないな?と待っていた。

その話をすると

「それはせん妄だと思いますよ」と言われた

せん妄?

一種の精神障害のようらしいが、見当障害や記憶障害のようで
認知症のにも似ているらしい・・・
見えないものが見えたり、亡くなった人と話したりといろいろな症状があるようで、私も亡くなった主人と話したし、瓶つめのラーメンに話を真剣にしたのを覚えている。私は嬉しくて話の途中で横を向いたら主人はもういなかったな・・・・


私の強い希望が幻になったんだろうな・・・でも、嬉しかった 
夢でも幻でも会えることがとても、うれしんだ
もっと会いたい
嘘でもいいから会いたいんだよね。

◇◇◇◇◇

自転車のまま私は、人の家の植え込みにダイブしたらしくよく覚えていないけど、私が避けたおじいさんとおばあさんは居なかった
逃げたのか?そう思ったら痛いのと悲しいのがいっぺんに来た
泣きながら、自転車を起こし散らばったパンプレットをかき集め上司に電話をして

「助けてください、痛いよう」となきじゃくったんだ
悲しい悔しいの入り混じった涙を流したのは初めてだった


例えば、良かれと思い私が老人に優しくしてもそれは、一方的に感情を押し付けているだけで誰も願っちゃいないってことかな?

それくらい捻じ曲がる勢いで悔しかったんだよね。

私は思い込みが激しく、皆が優しい人だと思う部分と
「ちっ」って、物凄く猜疑心を持っている濃いグレーみたいな人間だ


おめでたいようで、バックヤードで電卓を叩き潰すような人間でもある

なんか書いていていやな気持になるけど、それも私なんだよね
何回も信じちゃうし、すぐ恋しちゃうし
すぐ嫌いになるんだけど、心配ばかりして感情的に手を振ったり
分けわかんないのですが、たくさんのまだ渡れない橋があるんです。

石橋をたたきすぎて壊さないように
いきなり渡って落下しないように
でも、渡された橋は喜んで渡れるような人間でありたい(意味不明)

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人はいつ死んでしまうかなんて分からない

薄笑い出来るうちは笑おうと思うんだよね

いつも中途半端なくせに、神経質でだらしない

すぐ忘れる私は鳥のように翼を広げ、あの空を飛び回りたいんだ。

続く







私の望む世界を自分なりに表現したいと思います。大体実話でございますのでよろしければ、読んでいただけましたら小躍りしたいと思います。足が不自由になってからより書きたいと思う事が増えてまいりました。私には背中に翼があることを隠せない性分なのです☆