![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79947402/rectangle_large_type_2_4fc11a840c731b92fb742f599fcc8f24.png?width=1200)
ポーカーそんなに強くない人が頑張ってプレイやその他色々考察してみた話
公開してないけれど自分内日記・メモ帳・備忘録としてはかなり多用しているこのnote。
久々の公開文になります、こんにちは矢部亮です。
さて、久々のnoteはポーカーの「プレイ」と「環境」についての「考察」のお話です。
ポーカー歴2年半、大きい大会(1000人以上参加)のインマネは2ケタ入賞2回だけ・FT経験ゼロのアミューズによく通うレクリエーショナルプレイヤーです。
そんな私ですが、一昨年末から暫くの間ポーカー界で有名なりょうなさんの講習会によく参加して勉強を重ねていました。
それから本当に少しずつ成績が向上していきました。亀の歩みではありますが今でも教えてもらったことを記したメモ帳は大きな大会の時に見返しています。
私にとっては勝手ながら「お世話になった先生」です。干支一回り以上年下ですが実力は7回り以上離れてる私に根気よく教えていただいてました。
そんなりょうなさんが、マサキングさんの動画に出演したプレイに対して批判的な内容と誹謗と捉えられかねない言葉が飛び交って、本人が傷ついているのを見ました。
上述の通り私はポーカー強くはないですし、上級者の方のプレイ考察のようなレベルの高いことはできません。
ただ、お世話になった人が傷ついているのに対して我慢がならないので少しでも手助けできればと思ってこのnoteを書くことにしました。
GTO解析ではない私なりの解釈で、1ハンドだけですが頑張って考察したいと思っています。
●プレイ内容
----------------------------------------------------------------
BLIND 100/200 ante 200
UTG(マサキングさん)(stack:44000):A♣3♣ raise 600
SB(りょうなさん)(stack:39400):Q♥Q♣ raise 2500
UTG:call
(pot:5400)
Flop:T♣5♣2♦
SB:check
UTG:bet 1500
SB:call
(pot:8400)
Turn:3♥
SB:check
UTG:bet 4000
SB:raise 16000
UTG:call
(pot:40400)
River:K♦
SB:all-in 19400
UTG:fold
-------------------------------------------------------------
です(合ってるよね?)
これに対しての批判意見で見られたのが
「リバーでKが落ちてるからQQはマージナルハンドだし、最後のオールインはやりすぎ」「負けてるところにコールされて勝ってるところに降りられるオールインはなんで?」(意訳)
というところ。
では本当にそうでしょうか?考えてみたいと思います。
まず、QQのオールインに対して勝っててコールできるのは
・セット(TT・55・22・33・KK)
・2ペア
・Kヒット
・AA潜り
・46
といったところでしょうか。
これとストーリーを合わせて考えてみたいのですが、
最終的にKヒットではない勝っているものはターンレイズに対してコールするハンドがないです。リレイズオールインが殆どだと思います。
まずターンの時点で出来上がった2ペアはT2・T5・T3・32・53です。
このうちT2・T5・T3は流石に考えなくていいでしょう。これでコールしたら今回の比ではない位批判されると思います。マサキングさんは動画責任者ですし奇抜なプレイをする人ではないから。
同様に32・53ですが、BTNならアンティゲームなのでスーツで仕掛けるのもあるかもしれませんが、UTGでこれもかなりアグレッションが高いですし、マサキングさんのハンドレンジ的には可能性は限りなく低いです。マサキングさんのレンジは割と固い印象です。
万が一ターンでこれら変態2ペアが出来てたらハーフポットのbetはせずもっと高く打つでしょうし、そしてレイズに対してコールは考え辛いです。残りのSPRが0.5位なのでリレイズオールインしてくると思います。
AA・KKの潜りも同様で、SPRが0.5であるならばセット出てきたらごめんなさいでリレイズオールインで相手のTヒットやJJ・QQに悶絶してもらうです。
セットとストレートは「やったね!もう降りれないでしょ?オールイン!」です。
となるとリレイズにコールをするハンドって
・モンスター(今回のマサキングさんがこれ。ワンヒットガットフラッシュドロー)
・フラッシュドロー
・44(オープンエンド)
・ヒットOPED(54)
・Tヒット(AT・KT・QT・JT。AT以外はスーツ)
・相手をドローと読んでのペア(66~99・JJ)
位ではないでしょうか。
で、この中でのリバーでKヒットになるハンドは
Tヒットの中でもKT(K♥T♥ K♠T♠)の2コンボとフラッシュドローだけ。
フラッシュドローもりょうなさんがQ♣を抑えてるのであるのがKJ・K9の2コンボだけ。(K8以下はプリフロップフォールドだと思うので無い)
AKはそもそもプリフロップで4ベットに回してるからない。マサキングさんはQQ+は4ベットと3ベットコールを混ぜて相手を惑わすことがあるけれどAKは4ベットが多いので。
つまり、リバーのK♦で捲られたハンドは4コンボ。
その他には勝ってます。ざっくり見積もっても60コンボ以上の相手に勝ってます。
だからと言いますか、QQは決してマージナルなハンドではないです。
1:15以上の勝率がある超強いハンドです。
1:15以上の勝率でSPR0.5です。ここで「4コンボが怖いから」という理由でチェックは弱気すぎます。バリューの取り逃しもいいところです。
実際「4とKはやめて」と言ってましたが、その理由も
・4は逆転されて
・Kはバリューを取れなくなるから(相手から見たらブラフのほとんどがバリューになる)
と仰っていたので恐らく「捲られた」とは思ってないと思います。
なのでQQのオールインはバリューとしてやっても何の問題もないと思います。
バリューはもう殆どとれないけど仕方ないオールイン、といったところですかね。
というのがプレイの考察です。
これに対して「いやここはこうじゃない?」という意見があれば是非コメントください。批判ではない考察はどんどんやっていければと思います。
●ポーカーの考察
で、ここからは別の考察。
ポーカーのプレイに何故批判的な内容が飛び交うのか。
これって麻雀とかでもよくある話で、プロや動画配信者に対し「そんなプレイないよ」「下手くそ!」という言葉が往々にして投げられることがあります。
ところが、将棋や囲碁のプロに対してはそんな言葉が殆どありません。
何故か。
理由は簡単で、将棋や囲碁は強い人が100%勝ちます。
それに対し麻雀やポーカーは運の要素もあるので強い人が100%勝つわけではありません。
なのでそれぞれが自分の信念を元に考えてプレイすることが多いからです。
(それで弱い方が勝てるから面白いんですけど)
その自分のセオリーから外れて行うプレイに対して攻撃的になることが多いです。
でもこれ見てて多く感じることがあって、「相手のプレイを100%理解できているか?」ということです。
自分よりポーカーの実力が下の人に対してはわかるかもしれません。ただ、それの批評と同じように自分より上の人に対して同じ考えで批判してませんか?と思うことがよくあります。
LV10の人はLV1~9までの思考を理解できます。が、LV25の人の思考は理解できないのです。知らないから。
なのでLV18のプレイはよくわからないんですよ。
自分にとって上のものか下のものか理解できず、結果下に見てしまうことがあります。
ピカソの絵を見て「なんか下手だな」と思う感覚に似てると思ってます。
でも将棋と囲碁は運の要素が絡まない、ある意味「正解がある」ことがわかっています。(定石・手筋というやつです)
だから自分にとって意味の分からない一手でも、「自分の分からない思考のレベルのプレイなんだな」というのがなんとなくわかります。
でも麻雀やポーカーは運の要素が絡み、また失敗することもあるので、(重複になりますが)ぱっと見それが正しいか正しくないか、自分の知ってるレベルより上か下かがわからないことが多いです。
だからこそ、それを混同している人たちが多いのかな、なんて思ったりしています。
私が初めてりょうなさんに会ったのは2年前のWPT・DAY1。
同卓してプレイを見て、自分には理解の外のプレイをめっちゃされました。
バリュー逃さない、ブラフは通す、キャッチもする、あっという間にテーブル内のどチップリ。
あまりにも強すぎて「恐怖」を覚えたほどです。
今まで同卓して「強いな」と思った人は数多くいます。
ですが、「強すぎて勝てる気がしない」と感じるのはとても少ないです。
その中でも「強すぎて勝てる気がしないしプレイが意味不明すぎて怖い」と感じたのは後にも先にもりょうなさんだけです。
それ位、レベルが違うんだと思います。
多分私がLV5ならりょうなさんはLV2500位の差があると思います。意味が解らなくて当然なんです。
人は未知のものに対して恐怖を覚え、恐怖を覚える前に排除しようとするのは心理です。
だから排除するために攻撃的になるのだと思います。
ですが、全くもって自分の理解の範疇外のプレイを見たら、否定から入らず、まず「何故そうしたのか」と肯定して考えるといいと思ってます。
否定が批判、肯定が考察です。
どっちがより建設的な考えが出来るかは一目瞭然かと。
はい、こう言うと次の言葉が恐らく出てきます。
「俺の批判はあくまでGTOに沿ったプレイから外れてるのを指摘してるだけ」
成程。
確かにGTOは「最も不正解をしない」定石です。ミスをしないことというのはポーカーではとても大事なことですから。
では逆に聞きますが、ポーカーはGTOに沿ったプレイをすることが目的でしょうか?根本の話です。
将棋は王様を取るゲーム。
囲碁は陣地をより多く取るゲーム。
麻雀は点棒をより多く稼ぐゲーム。
ではポーカーは?
チップを多く稼ぐゲームです。
不正解を防ぐことは手段であって目的ではありません。
なので、仮にセオリーから外れていても、それがチップを稼げる最大のプレイならそれが正しいです。
あ、私はGTO否定派ではなくむしろ肯定派。
ただ同時に、GTOをちゃんと勉強している人はそれ以上に相手に対して最大限の利益を考えています。
エクスプロイトってやつですね。
なので「GTO的にはこうだけどそのセオリーから外れた方が1.5倍くらいもうかるから外す」が出来る、エクスプロイト+GTOを出来る人がめっちゃ強いと思っている人です。
恐らく動画に出てる人たちって上記のプレイ考察なんて当たり前に考えてるだろうし、その中でも少しでも多くのチップを取ろうと、一般の人たちでは考えられないようなレベルの思考を元にチャレンジしているのだと思います。(チャレンジですから当然失敗もあります)
少なくとも私なんかが考え付かないようなレベルの高い所で。
木原さんの考察はビビるくらいすごかったですし。
だからというわけではないけれど私は
「あ~上の人たちってすげえな」
って思いながら動画を見てたりします。
皆さんも「すげえな」って思いながら見ませんか?
その方が楽しいですよ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?