見出し画像

仮想通貨で右肩上がりの結果を得る機械学習(FXにも応用)

仮想通貨で利益率が右肩上がりとなる機械学習モデルを作成することができることをシリーズで紹介しています。訓練データとテストデータが同等の精度で予測でき、フォーワードでも同じ傾向が継続することを重視して作り込んだモデルの紹介です。前回までに仮想通貨ではメジャーコインでもマイナーコインでも結果は右肩上がりとなることを紹介しました。

前回までの調査結果から仮想通貨ではどの通貨でも同じような良好な結果は出てくるであろうことが見込まれます。仮想通貨同士はある程度同じチャートになる傾向にあるので、全然違う形状のチャートにトライしてみたいというのが今回のテーマです。そこで今回は仮想通貨を離れてFXでの検証にトライしてみます。「仮想通貨で右肩上がりの結果を得る機械学習」とありますが、その方法を仮想通貨以外に適用するとどうなるかというのが今回の記事の内容になります。

USDJPYで訓練データとテストデータの比率が8:2の結果を示します。

いつもと同様に期間は2022年の1年間のデータで青が訓練データの利益率の推移、オレンジがテストデータの利益率の推移です。うまくいくことを期待していたのですが、残念ながら良好とはいえない結果となりました。テストデータは右肩上がりになっていない上、そもそも訓練データの精度も今ひとつです。仮想通貨の時は直線に近い形だったのに比べると、大きめのドローダウンが見られます。縦軸の数字も仮想通貨の時とは大きく違っていて、累計の利益率が非常に少ない値になっています。

実は、このモデルの精度が良くないことはモデル作成の時点でわかっていることでした。その通りの結果がグラフに表れています。

このまま検証を続けてみます。訓練データとテストデータの比率が5:5の結果を示します。

テストデータの前半は右肩上がりの傾向が見られますが、残念ながら後半では継続できていません。

こちらは訓練データとテストデータの比率が2:8の結果です。やはりテストデータ前半では良好ですが、後半では右肩あがりになっていません。ここで気がつくこととしては8:2, 5:5, 2:8のグラフはある程度同じ傾向があるということです。ドローダウンしながらとはいえ、2022年の前半では一応右肩上がりにはなっています。そして、2022年の後半で右肩上がりが止まっています。

2022年の前半3/4の期間ではモデルの有効性が成立しているが、最後の1/4の期間では相場の傾向が変わってしまい、モデルが学習した特徴が成り立っていないという仮説が考えられます。

そういえば2022年の後半は米国、日本の為替の動きが大きく変わった期間でした。もし、この期間で相場の特徴が変わってしまったとするならば、右肩上がりの結果を出すためには、2022年の後半で学習をし直す必要があるということでしょう。試してみます。

やはりドローダウンはあるのものの、右肩上がりの傾向は出ています。ある期間はうまく予測ができていたとしても、それには賞味期限があり、いつかはモデルが通用しないことになるが、その場合は学習をし直すことでまた通用するモデルを作り直すことができる、ということを示唆しているように思えます。

ここで特筆しておきたいのはこのシリーズでたくさんのチャートに機械学習モデルを作成していますが、どれもモデルの作成の手順は同じでして、プログラムを走らせるのは1回きりです。プログラム内で探索することはしていますが、プログラムが終わるのを待っているだけでモデルは自動で完成します。そして、最後に1度だけテストデータを使って結果を確認する、だけです。自動化されているので、このようにたくさんのチャートそれぞれに対して適切なモデルの作成を量産できます。

今回のように相場が変わったと思えば、モデルを作成し直すのが自動でできるのはありがたいことです。良い結果が出るまで試行錯誤を繰り返すのは大変な気力と労力を要するからです。

次は他の通貨でも試してみます。通貨はGBPAUDとします。USDJPYとは大きく違うチャートを選びました。訓練データとテストデータの比が8:2, 5:5, 2:8を一気に示します。

GBPAUDではドローダウンが少ない直線に近い右肩上がりの利益が出る結果となりました。

今回の実験によりFXでも機械学習が有効に機能することが確認できました。次のことが言えそうです。

  • どれほど精度が良いモデルになるかは相場によって異なる。良い精度で予測するモデルが作り易いチャートとそうでないチャートがある。

  • 相場の特徴が変わればそのモデルは有効ではなくなる、ということは起こり得る。その場合は新しい相場の特徴を捉えた学習モデルを作成しなおす必要がある。

ここまで色々なチャートでこの手法が有効であることを確認してきました。次はいよいよ手法を公開したいと思います。









この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?