見出し画像

退職奮闘記:『始めてみないとわからない』を楽しむ

退職奮闘記、最終回。

前回までの記事はこちら↓

上司に退職意向を伝えた後に、産業医との面談をし、その後休職はせず退職の道を選んだ。

退職日を決めてからの諸々の手続きが大変だった。
年金のこと、健康保険のこと、今まで全部会社まかせで知らないことばかりだった。
ネットで調べてちょっとずつ理解していきながら、それでもわからないことは役所やハローワークに直接聞きに行った。
決めないといけないことも多くて正直結構大変だった。ある程度元気な時に会社を辞めないと、退職手続きだけで病みそうなくらいだった。

色々制度などを知っていき、会社員はこんなにも会社から守られているのか!と気づき、一瞬辞めることを後悔しそうになった。


でももう決めたことだから。決めたら、迷わなくていい。
決めた道以外のことは考える必要はないのだと言い聞かせ、淡々と仕事の引き継ぎをし、退職手続きを進めた。

前回の奮闘記にも書いたけど、「辞める」と決断すると、それまで感じていた責任やプレッシャーからのストレスから解放され、少しずつ元気になっていった。
仕事もどんどん引き継いでいき、ちょっとずつ余裕が生まれてきた。
こういう精神状態で働き続けられたら幸せなのになと思い、切なくなったりした。
それが叶わない環境だと身をもってわかったので、やっぱり自分の決断は正しいと思う。

ちょっとずつ余裕が生まれてくると、沸々と自分の中でやりたいことが出てきた。やりたいことが出てくると同時に、それをやったところでうまくいくのか?今後に繋がるのか?と痛いところを突いてくる自分も出てきた。

やりたいことを好きなようにやりたい気持ちと、将来のキャリアに対する不安、いろんな感情が入れまじりモヤモヤしていた時にたまたま見ていたドラマである言葉に出会った。

「魔法のリノベ」というドラマで、
リノベーション会社で働く営業マンが、お客様の要望を叶えて理想の住まいを提案しリノベする話だ。ある回で、結婚しこれから2人暮らしを始めるお客様がいて、お互い家に対するこだわり条件が強く、一緒に住んでうまくやっていけるのか不安に感じていた時に、営業マンが言ったセリフがその時の私にすごく刺さった。

「私は慎重派なんですが、飛び込んでみないとわからないこともある。そうつくづく実感します。無責任なことを言わせてください。『始めてみないとわからない』を楽しむ家にいたしましょう」        

魔法のリノベ 第8話

人に対しては簡単に言えることなのに、自分のこととなると途端にできなくなる。楽しむということをすっかり忘れて不安な気持ちに支配される。
だから、すごくいいタイミングで出会えた言葉だなと思った。

そして今。
退職から1ヶ月が経った。
ずっとデザインの勉強をしたいと思っていたので、PCを買い、デザインが学べるオンラインスクールに入会した。

給料の約2ヶ月分のお金が飛んだ。コツコツ貯めてきた貯金は一気に減った。
何かを学ぶ環境を作るということは、それなりのお金と時間が必要で、贅沢なことなんだなと思った。

やっと自分がやりたいことができる環境になって、時間の余裕もできて充実しているものの、やっぱり将来に対する不安は消えない。
毎日ジェットコースターのように感情の波があり、働いていた時とはまた違うしんどさが正直ある。

会社を辞めた時、私はゼロになったんだなと思った。またここから積み上げていかなきゃと自分を奮い立たせるような気持ちでいた。

でも今少しずつ学びを進める中で、キャリアブレイクの日々を過ごす中で、わたしはゼロになったわけではないんだと気づいた。

自分が今後どんな働き方をしたいのか、どんな生き方をしたいのか、
今までの経験、学びが、考える材料になっていると感じる。

最近恋人が「ライフシフト」という本を読んだらしく、
「これから人は100歳生きることが当たり前になる。人生は学んで、働いてを繰り返していくんだよ。」と教えてくれた。

私はその周期をちょうど1回終えたばかりだ。
次はどんな自分になるんだろう、どんなことをしているんだろうと想像するとちょっとワクワクする。

「始めてみないとわからないを楽しむ」
この言葉をお守りに、私なりのキャリアブレイクを楽しんでいこう。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?