なんであのラジオ番組は出演者は悪くないのにつまらないの?

長らくラジオが好きで聞いてきたが、最近は疑問を感じるラジオ番組が増えてしまった。生番組感の低下や人選や選曲への不満など原因はいくつかある。これは既存の番組を含めたラジオ番組全体への不満であるが、今年始まった聞いていたラジオの新番組から共通して感じたものもある。

事情があって、この四月から(関東圏の)様々なラジオ局で始まったラジオ番組を聞く機会ができた。その中には気に入ってよく聴くようになった新番組もある。しかし逆に、それなりに期待して聞いたのにガッカリしてしまったラジオの新番組もあった。その中には、出演者にはラジオの実力があるのにそれが活かせてない…と感じる番組が多いと感じた。

最近のラジオ番組の問題に気付いたきっかけ

それに気付いたのは、TBSラジオで日曜天国が休みの日にやっていた特別番組を聞いていた時だ。三十分ぐらいの収録番組だったが、時間が埋まるか不安なのでなんとか緊急でゲストを連れてきた…とスタッフが出演して喋っていた。ゲストはそれなりに面白かったが、番組としては前半のトークと後半のゲストがチグハグで、無理やり雰囲気の違うゲストを連れてこなきゃいいのに!と思った。

このときの感想は、今年始まったラジオ新番組の多くにも当てはまるのでは?…と思い始めたのはつい最近のことだ。

今年始まったラジオ番組を聞いてみたら…

なな→きゅうの場合

文化放送のなな→きゅうは、今年始まった新番組だ。この番組に柴田英嗣が出てるというので聞いてみたことがある。芸人のアンタッチャブル柴田英嗣は以前、TBSラジオで番組をやっていたことがあり、その番組は私の中で勝手に伝説にしてしまった程の面白い番組だった。それで期待してなな→きゅうを聞いてみたのだが、なんだかそんなに面白くない。朝の番組なせいもあるが、むしろ原因は柴田英嗣が喋る時間が少ないせいだと感じた。似た感想を感じた番組は別にもあった。

The Tradの場合

TOKYO FMは今秋、ザ・トラッドという番組を始めた。この番組にはミュージシャンのハマオカモトが出演するというので期待してた。なぜなら、J-WAVEのソナーミュージックという番組でメインが休みの日にハマオカモトが代理で出た回があり、それがとても面白かったので期待は高まっていた。

しかし、実際にザ・トラッドを聞いてみたら、ハマオカモトが大人しいので期待外れになってしまった。ゲストコーナーは面白いこともあるが、それ以外は元気がない。平日午後の番組のせいもあるかもしれないが、私の印象では、この番組は曲の流れる時間が長いが、選曲は出演者とたいてい関連がないので話が盛り上がらない傾向が高いと感じた。

Actionの場合

今年始まったTBSラジオのアクションは時々確認で聞くことがあるが、残念ながら聞く度にガックリ来ることの方が多い。今秋になって番組構成が変わって制作の手抜き感は少し弱まったが、相変わらずそこそこなら面白いの域を滅多に超えない。この番組はトーク力の高いDJ松永が出演していて本当ならもっと面白くなってもよいはずだが、あまりそうはならない。

私の印象では、(アシスタントの問題は脇に置けば)帯番組だから仕方ないとは言え、出演者の特性に合わせて番組を構成できていないのもあまりハネない原因だと感じる。

番組内の時間を前もって埋めとかないと不安?

これまで紹介したラジオ新番組から言えるのは、制作の側が番組内の時間が空くのを恐れて、適当な企画や素材や選曲で埋めようとする傾向が強いことだ。そのせいで出演者が喋る時間が削られてしまい、ラジオ番組の魅力であるトークを味わうことができなくなっている。また、時間を埋めようという切迫感のせいか、せっかくの企画や選曲が出演者を無視したものになってることも多く、トークが盛り上がりにくい。

ラジオから柔軟性が失われてる?

長らくラジオを聞いてきた私の印象では、ラジオ番組は作りに柔軟性がある方が面白いことが多い。例えば、思った以上にゲストと盛り上がってると分かったら通常コーナーを削ってまでしてゲストの出演時間を増やせるようなタイプ番組というのは面白い。一般的にラジオ番組というのは台本通りでない時が面白いという経験は、ラジオ好きならよくあるはずだ。NHKのラジオが面白くなりにくいのはこの辺りに原因があるかもしれない。

しかし、最近は民放でも柔軟性の高い番組は減ってる上に、そもそも前もって埋まるか心配なトーク時間を減らして、適当な企画類で埋めてしまおうという制作側の意図を感じる。だが、制作側の安堵が増えた分だけ番組はよりつまらなくなっている。

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