【大阪の最果て】大阪府最南端の街・泉南郡「岬町多奈川」に存在した“在日コリアン密造酒村”の痕跡を訪ねて
大阪府は全国の都道府県の中でも香川県に次いで面積が小さい。特に関西空港島の埋め立て前までは全国最小だった。それ故に、大阪南港のコスモタワー展望台から晴れた日には生駒山脈がすぐ見渡せるように、府内の端から端まですぐに辿り着けると思い込むが、東西には狭くとも南北には思いの外広い。北は能勢町天王から南は岬町多奈川まで、車で移動すれば優に100キロ以上はある。グーグルマップで見たら、下道オンリーで片道4時間くらいかかるらしい。
さて今回はそんな大阪府の最南端「泉南郡岬町多奈川」を訪ねる旅だ。ここへ辿り着くためには南海電車で難波からみさき公園駅まで移動し、そこからさらに「南海多奈川線」という超絶マイナー路線に乗り換えなければならない。電車でもクルマでも大阪市内からでは片道1時間以上を要する、大阪の真の最果て。大阪府民の何割がこの多奈川線というものを知っているのか、実際にこの路線を走る電車に乗った事があるのか、どんな地域なのかを知るのか定かではないが、ある意味「汐見橋線」と双璧を成す秘境路線とも言えよう。
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