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【大阪団地探訪】地下鉄中央線の車窓からも見える!大阪ベイエリアのズタボロ軍艦アパート「大阪市住宅協会八幡屋住宅」を観察する

世間は未だに盛り上がっているかどうかよく分からない「大阪・関西万博」(2025年日本国際博覧会)…実はもう開催予定日まであと1年少しになってしまっていた。2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」から20年ぶりの国際博覧会という扱いになるが、いま大阪府・市政は大阪維新の会の与党体制下にあり、それが気に食わないと右から左から猛バッシングを受けて“アンチ万博”の大号令が掛けられている。巨大木造リングがカネの無駄遣いだとか、工事が遅れてるだとか、箸のコケたような事までほじくり立てて喚き散らしている。

電車だけはピッカピカだが車窓からの風景には未来を感じない大阪メトロ中央線の朝潮橋付近

その万博会場への主なアクセス経路となるのが大阪メトロ中央線であり、終点のコスモスクエア駅からさらにもう一つの海底トンネルを経由して、隣の人工島「夢洲」までが目下のところ延伸工事中となっている。万博会場の玄関口となる夢洲駅が2025年1月末の開業予定。しかしその道中の車窓はというと、海遊館や天保山ハーバービレッジなどがある観光名所の最寄りとなる大阪港駅の手前まで、昭和の時代に出来上がった煤けた港湾労働者街が連なり、とても“未来”を感じさせる風景とはお世辞にも言えない。

大阪市内にごく僅かに残る、大阪市住宅協会時代の公社住宅「八幡屋住宅」

そんな地下鉄中央線の地上部分、朝潮橋駅から大阪港駅に向かう途中の車窓からも見える、とてつもなく古びた佇まいの団地…実は大阪市内に数カ所しかない「大阪市住宅協会」時代の公社住宅の一つだった。特にみなと通り(国道172号線)に面する二棟は昭和33(1958)年に建設された「八幡屋住宅」(一期)となっており、大阪市に残る公営住宅の中では屈指の“ご長寿団地”でもある。ここ、取り壊されずに今も残ってるんですよ…

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