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詩『shoegazer』

誰も興味なんて湧かない根も葉もない噂話みたいに
見慣れて忘れ去られた靴底に糊付けされた影のように
無視されながら甘い夏を雲霞を掴むように追いかけている。

靴擦れて赤く腫れた踵を薬で塗り潰しても 
熱量過多で焦がした鍋底をたわしで磨いて洗い流したとしても
俯く瞬間に瞳に映る幽霊は永遠に私達に付き纏い続ける。

種明かしのない奇術の舞台に茶化されているみたいだな
愚痴を垂れる腑抜けた心根に貴方が撒いた水で
根腐れしそうだよ 誰の所為でも過誤でもないけど。

記憶に残らない些細な言葉を
後光で飽和した写真のように眺める。

誰も興味なんて湧かない個人的転換期の話みたいに
見慣れて忘れ去られた靴底に糊付けされた影のように
無視されながら甘い夏は雲霞のように私達を待ち構える。


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