詩『頭痛薬』

側頭部に溜まる固定電話のコール音が血管を無駄に拡張させる
無理矢理に飲み干した酸味強めの活力は大して役には立たなくて
情報処理負荷が重くなる侃々諤々の会議に酔い潰れて沈む
頭痛薬も持ち合わせていないから適度に吐露する狂気激情。

黙ってくれりゃ業務ノルマくらい簡単に達成できるわ糞が
喉の奥には文節単位の検閲官が兼ね備わっていた舌先にすら届かない想い。
解決策くらい自分で考えろや善良なる聖人君子なら
効果は期待できそうもない倒置法が鋭く跳ね返って突き通す過去。

頭頂部に溜まる悪口雑言のループノイズが血管を無駄に拡張させる
無茶苦茶に暴れる脳内 醶味強めの絶望は時には救世主になりうるね
情報処理負荷エントロピーで侃々諤々の議論に酔い潰れて沈む
頭痛薬も持ち合わせていないから適度に嘔吐する邪智暴虐。

無機質で過度に清潔な部屋は底光りして瞳を反射する
傾けた器には罅割れた跡が金色の瘡蓋になっている
不意に窓の向こう盛大に炎色反応が華開いて目が醒める
終わりなきゲームの駒となり着々とセーブした記憶。

黙ってくれりゃ業務ノルマくらい簡単に達成できるわ糞が
喉の奥には文節単位の検閲官などいないんだ黙るのは俺の方だ
解決策くらい自分で考えろや善良なる聖人君子なら
効果は期待できそうもない倒置法が鋭く跳ね返って突き通す現在地。
誰の物語でもなく日常に腐る脳髄を忍ばせて。

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