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連作詩④余桃の罪

深夜に帰宅後ひとりで温めた晩御飯は薄味で物足りない
不満を羅列するのだけ得意で貴方の陰で憩う祝日の夕暮れ時。
零れ落ちた果実を齧って片付けもせず眠る毎日に。

早朝の出勤前シャツが皺くちゃで見るに耐えない
鎮痛剤で誤魔化した愛情の搾取が交感神経を刺激する朝焼け時。
自己嫌悪に気付いた時には果実は腐敗しきっていた。

喉元に溜め込んでいた ごめんねは
欺瞞に過ぎないと自覚していた。

深夜に帰宅後ひとりで温めた晩御飯は薄味で物足りない
言い訳を羅列するのだけ得意で貴方の陰で溜飲を下げる夕暮れ時。
食べ頃の過ぎた果実を齧って片付けもせず逃げる毎日に。

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