Photo by inagakijunya 詩『鼻濁音』 7 虎井春&蜂芳弌 2024年6月30日 15:51 溜息で曇る公衆電話の玻璃に薬指で似顔絵を描く、受話器越しに響く鼻濁音がくるりと鼓膜を叩く。風邪気味なんだね 無機質に唇を震わす台詞、銅製硬貨で購入する五十六秒間の執行猶予。闇の緞帳で覆われた公園の中で異様に白く光る私的会話の部屋。革靴で躙にじる公衆電話の砂礫に爪先で渦巻を描く、受話器越しに響く鼻濁音がかちりと感情を敲く。本当は泣いてたでしょ 無機質に喉を震わす台詞、銅製硬貨が底をつき五十六秒間の静寂が幕を開ける。 ダウンロード copy この記事が参加している募集 書いてみる 締切: 7月23日 #創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #鼻濁音 7 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート