雑談⑧(七夕のお話)

こんにちは、蜂です。

久方ぶりの雑談です。今日は七夕ということでお話をしたいと思います。
七夕といえば様々なことが思い浮かびます。織姫と牽牛の恋物語は一般的によく知られ、それぞれ こと座のベガ・わし座のアルタイルとして実際に星空観察でその存在を日本では身近に感じることが出来ます。

鵲の渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける 中納言家持

『小倉百人一首』

鵲が天の河を跨ぐように橋を架け、二人は年に一度の逢瀬を迎えます。恋という感情は夏の宇宙という壮大な舞台や冬の渡り廊下という日常的な舞台等あらゆる場所に潜在しているのだなあと実感します。

他にも七夕で思い浮かべることがあります。『建礼門院右京大夫集』です。
平清盛の娘で高倉天皇の中宮である建礼門院徳子の女房であり、歌人として後世に名を残した建礼門院右京大夫の家集になります。

きかばやな二つの星の物語りたらひの水にうつらましかば 右京大夫

『建礼門院右京大夫集』

戦争で恋人の平資盛を失い永遠の哀しみに悩まされた彼女ですが、終盤での藤原定家との贈答はかなり胸にこみ上げてくるものがあります。

ほかにも、浅野いにお様の漫画『おやすみプンプン』も好きです。
鬱漫画ですが恋愛要素や哲学的要素などを交え、様々な角度から生きる難しさを前衛的に切り取った傑作漫画です。かなりサイコパスな描写もあるので苦手な方にはあまりお薦めできませんが。七夕要素もあります。

何故か七夕の時期には魔力を感じてしまいます。たとえそれが単なる思い違いであれ。我々の先達が天体の動向や気候の変化などを敏感にとらえて築き上げてきた伝統には形骸化していても何か意味があるのだと思います。

願い事が何であれ皆様が今年の夏をなるべく健康に、あるいは なるべく幸福に過ごせることを非力ではありますがお祈り申し上げます。

失礼しました。

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