この国の依存症を作るシステム

マイルドセブンの思い出

どんどん値上げに

1977年、マイルドセブンは150円での発売でした。もっとも、その前にはセブンスターというものがあって、そのマイルド版としての発売でした。
私は、この世代でセブンスターに始まりマイルドセブンに終わるという20年間の愛飲者だったのが、私でした。

今、マイルドセブンという銘柄はないのだそうで、後継のメビウスという銘柄が500円を超えているようです。約4倍近い値段ですね。喫煙者数が1/4になっても単価を4倍にすれば、収益の2兆円は確保できると考えているのでしょうか。

タバコの4種類の税とは「国たばこ税」「地方たばこ税」「たばこ特別税」「消費税」で、そのうち「たばこ特別税」は旧国鉄の債務返済と国有林野事業の負債の穴埋めに使用されているようです。

メビウス540円の内税金が333.97円で一本あたり15.244円だそうです。タバコには4つの種類の税金がかかっていて、トータルが61.8%ということらしいです。それは、ビールの税金48.5%よりも、ガソリンの50.7%よりも高いのです。社会的風潮として、健康の敵のようなイメージでタバコが悪者視されているから、制裁的な罰としての税率の高さなのでしょうか。

ほぼ税金を喫煙し、税金を飲酒させるために、テレビCMは盛んです。タバコのCMには喫煙の場面は出てきませんが、ビールのコマーシャルは節操もなく俳優たちがおいしそうに飲む姿を、この国では子どもからお年寄りまでもれなく視聴するのです。

こんなに素敵な人たちが、こんなにおいしそうにビールを飲む姿は人をして私も飲んでみたいという動機付けをしているのでしょうね。効果があるばかりか、アルコール依存症の人については、罪作りな引き金となる危険なものでしょうね。

JTのCMは一斉喫煙の絵のないクリーンを装うイメージだけのCMですが、それはそれでとても偽善的だと思います。

私の人生最初の一本目


それは、当時私が東京で大学に通っていた時のことでした。郷里の地方から大学浪人をしていた友達が1月か2月ごろ受験のために上京してきたときのことでした。

彼を出迎えた私ともう一人の友だちは喫茶店で話をしていました。すると、彼はバツが悪そうに言い訳めいた事を言いながらタバコを出して吸い始めたのです。

彼は、大学浪人をしている自分の状況と喫煙者である自分という二重の負い目を感じながら話をしているのが感じられ、可哀想に感じた私が男気を出して1本付き合ったというのが、最初でした。

今思えばその偽善的な男気というものが、後に私を大いに苦しめることになる大きな1本目だったのです。それがセブンスターかマイルドセブンのどちらかだったのでした。

その友達の彼は、50代にして胸腺癌という珍しい病気で早世してしまいました。それが、喫煙とのどのような関係にあったのかどうかは解りません。


公営ギャンブルのいろいろ


宝くじ
あまりピンときませんが、これも公営ギャンブルの範疇なんですね。還元率が46%、収益率が40%に設定されているようです。当たり券の還元と経費などを引き算してその残りが40%の収益金となるのでしょうか。

そこから、全国都道府県と20の政令指定都市へお金が還元されるようです。

担当省庁とその還元率
・競馬(農林水産省)約70~80%
・競輪(経済産業省)約75%
・ボートレース(競艇)(国土交通省)約75%
・オートレース(経済産業省)約70%
・totoくじ(文部科学省)約50%
・宝くじ(総務省)約46%

私の父親も生前何十年もの長い間、それほど当たりもしない宝くじを買い続けていました。大当たりしたという話は一度も聞くことなく向こうの世界に行ってしまいましたが。

これらの多くは、止めたくても止められない、或いは止める気のない一定の依存的な人たちが各省庁の収益を支え続けているのです。そしてその収益を一手に各担当の省庁が握っているのです。

賭博は法律で禁止されているが…


博打などの賭け事、賭け麻雀などの私的ギャンブルは法律によって禁止されているのが日本というこの国ですが、パチンコという大々的なマシンによるギャンブルは禁止されてはいません。

町のアチコチにはたくさんのパチンコ屋があって、多くの依存症の人々が開店前から並んでいます。パチンコだけが市民権を得ているのでしょうか。同じギャンブル(博打)なのに。

テレビCMでは、公営ギャンブルもパチンコもやり放題で、ビール等のアルコールと共に、依存症の状態にある人にとっては「おいで おいで」と引き金を引かせるような誘いかけを強力に仕掛けています。いったいそれでいいのでしょうか?

そこにきて、近年ではカジノ法案が国会で審議されるなどしていて、横浜や大阪、長崎等が手を挙げようとしているようです。そのついでのようにしてギャンブル依存症のことが小さく話題になったりしていますが、本気度は低いままです。

まとめに代えて
・タバコの税率は高い。
・公営ギャンブルは、それぞれ担当省庁の集金マシンである。
・パチンコだけが、私的ギャンブルでは市民権を得ている。
・それらすべては、依存症を誘発する。しかもテレビではCMがえげつなく放映されていて、依存症の病者を引き金に誘いかけている。
・総じて、この国はギャンブル依存症を作り出すシステムを温存している。

よろしければサポートお願いします。いただいたサポートは依存症の息子の治療に使わせて頂きます。親の私は既に古希を迎え、この年になっての試練を家族で乗り越えたいと思います。