BGMで語るゲーム 第3回「One They Fear」

どうも、深井業です。

BGMで語るゲーム第3回、今回はThe Elder Scroll V:Skyrim(以下Skyrim)から、みんな大好きなあの曲を紹介する。

誓われし名誉にかけて、邪悪を永遠に寄せつけるな

Skyrimは2011年発売のオープンワールド・アクションRPG。オープンワールドというジャンルを確立した金字塔的作品であり、「どこへでも行ける、何者にだってなれる」というオープンワールドゲームの醍醐味をこれでもかと味わうことができる。

プレイヤーは、世界に終焉をもたらす不死のドラゴンを唯一倒せる伝説の戦士「ドラゴンボーン」であり、その特別な力でもって世界を救う使命を全うせんとする。
…というのはあくまでこのゲームの楽しみ方の一つ。世界を救う勇者になるも良し、魔法と叡智を極めるも良し、影に潜み人々を恐怖させるも良し、湖畔に一軒家を建てそこでゆっくり暮らすも良し…。とにかく色々な楽しみ方があるのがこのゲームの素晴らしさである。

今回紹介するのは、そんな素晴らしい作品を最高に盛り上げてくれる戦闘曲の一つ「One They Fear」を紹介する。

勝利か、ソヴンガルデかだ!

メインシナリオを進めていくと、伝説上の存在として語られてきたドラゴン達が敵としてプレイヤーに襲いかかってくる。

そんな時にかかるBGMがこのOne They Fearだ。
奴らが恐れるもの」。不死であるドラゴンを殺し、その魂を己の糧と変える唯一無二の存在であるドラゴンボーンにふさわしい二つ名といえよう。

この曲はSkyrimのメインテーマ「Sons of Skyrim」のアレンジで、メインテーマの勇壮なコーラスとオーケストラはそのままに少しアップテンポにリミックスされている。ドラゴンボーンを讃える歌であるSons of Skyrimのアレンジをバックに因縁のドラゴンと戦うという、まさに全ドラゴンボーンが求めていたシチュエーションを叶えてくれる素晴らしい曲である。

ドヴァーキン、やめろ!

この曲をバックに戦うドラゴン戦は気分が最高潮なのだが、いいことだけではない。

街中だろうが山の中だろうが誰かと会話している最中だろうが、ドラゴン達は時も場所も選ばず襲ってくる。
しかもスカイリムの民はみな血気盛んで、街の衛兵隊達だけでなく店番のお姉さんもその辺を歩いている貴族のおっさんもナイフ一本でドラゴンに挑もうとするので面倒くさいことになる。大事な話を急に切りあげたかと思えば、空から火を放つドラゴン相手に武器を抜いて応戦しようとするのだ。
無事に倒せればそれでいいのだが、敵のレベルによってはNPCは普通に死んでしまう。商人やサブクエに関わる人物でさえも分け隔てなく死ぬのでタチが悪い。

ドラゴンがNPCを殺してしまうのであればまだいい方である。
恐いのは自身の攻撃や魔法がたまたまNPCに当たってしまい、そのせいでNPCと敵対してしまったり衛兵に「スタップ!」されてしまう(※)ことである。こうなれば罰金を支払うか服役するか、あるいは死ぬまで殺されるかのいずれかを選ばなければならなくなる。めんどくさくて仕方がない。

(※衛兵たちは罪を犯した主人公を捕まえるため止まれと命令するのだが、「ストップ!」と言っているはずが「スタップ!」に聞こえるという小ネタ。転じて衛兵たちに捕まることをスタップされるという。)


とまあ色々ぼやいたが、やはり食うか食われるか、殺すか殺されるかの極限の戦いが味わえるドラゴン戦はどうしても嫌いにはなれないものである。

ドラゴンを倒せばドラゴンのソウル、ウロコや骨といった強化素材、たくさんのセプティム金貨や宝石、エンチャントされたアイテムなどお宝が手に入る。めんどくさいと思ってはいても、リターンがあるのだから挑戦せずにはいられないのだ。

おわりに

Skyrimは去年10周年を迎えた。もう10年も昔のゲームなのである。
しかし、Skyrimは10年経ってなお我々の心を掴んではなさない。古くさいと思うところはいくつもあるし、誤訳やトンチキな台詞回しで雰囲気が台無しなところもある。でも、美しいスカイリムの自然やそこで暮らす逞しい人々、そしてそれらに対し主張し過ぎないいいバランスで花を添えてくれる音楽はどんなゲームにも真似できない唯一無二の魅力がある。

興味がある方は是非プレイして欲しい。絶対、絶対に後悔しないはずだ。

ムアイクの話はおしまい。