今の日本共産党は非常に残念だという話

今の日本共産党の在り方が至極残念、共産党らしくない在り方だというお話です。初めに日本共産党の歴史と姿勢を振り返りつつ、今の日本共産党の排他的政治姿勢とその癖民主主義を自称していることを批判したいと思います。

日本共産党の歴史・概要・姿勢

日本共産党は1922年に誕生しました。当時の主要なイデオロギー、公約は
・日中戦争等の戦争への断固反対
・天皇が絶対的権力を持ち、プロレタリアート(小作農を含む)への搾取に抵抗
が基本的な考えです。そして治安維持法の制定により日本共産党は違法な政党となり小林多喜二を筆頭とし、厳しい弾圧を受けました。戦後、獄中で生き残った共産党員が釈放され、再び合法政党として活動を再開させました。その後は
・スターリンへの服従を拒否し、自主独立を方針として貫く
・武力革命の否定
・民主主義、議会を通じた社会主義革命を方針とする
・従米の日本から独立国として自主的な国家の運営を主張
などの活動を行い、その主張から度々共産党のみが蚊帳の外に置かれる事態にもなりました。しかし、そこでも共産党は政策を頑として変えず、少数派であり続けた共産主義者として団結し続けていました。私はそこが共産党の良いところだと思っています。その後は徐々に党勢は後退、党員の高齢化は現在も彼らの課題となっています。と日本共産党のそれを素描できたかと思います。(因みに日本共産党は社会主義と共産主義を区別していません。同様にマルクス、エンゲルスも区別せず使用しています。区別しているのはレーニンぐらいですが、厳密には彼も使い分けはしていません。若野悠氏は『風刺画とアネクドートが描いたロシア革命』において、それらの違いについて「小麦粉と薄力粉の違いを理解する方がよほど役に立つ」(意訳)と記しています。)

現在の日本共産党の問題点

ここまでは共産党の歴史を見てきましたが、最近ある事件が物議を醸しています。
党首公選制等を訴えた共産党員2名が除名されたという事件です。日本共産党は彼らへの処分を規約に基づき適正に行われたとしています。ですが、党綱領には以下の記載があります。

日本共産党綱領


(十六)・・・さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される。

https://www.jcp.or.jp/web_jcp/html/Koryo/

恐らく彼らの中では党外で主張する自由は存在するが、党員がそれを主張することは許されないという考えなのでしょう。綱領に反しているか否かはさておき、そもそも彼らの採択している集中民主制という制度がおかしいと言わざるを得ません。まず彼らは「民主主義的革命政党」です。それにも関わらず、彼らは民主主義的に訴えられた主張を許さず、除名まで行う異常という以外の言葉が見当たらないほどの排他性を有しています。この時点でおかしいと誰もが思うはずです。さらに彼らは「革命政党」なのです。こんな自民党でもしない保守的な態度でありながら、革命を成し遂げるには地球の寿命が足りないでしょう。党内の風通しがあまりにも悪いです。彼らは党内でキノコの培養室でも作りたいのでしょうか?確かに彼らの意図していることは理解できます。党内に派閥の形成を許してしまい保守的になることを危惧してのことなのでしょう。ですが、彼らはそれを恐れるがあまり排他的に、保守的になってしまっています。先ほど見た歴史から鑑みて、その姿勢は残念極まりないものです。戦前、彼らは政党として唯一戦争に反対しました。死ぬかも知れないのにも関わらずです。それでも彼らは主張をやめず、そこからも彼らは曲がりなりにも弱者や少数派の味方であり続けてきました。今年、日本共産党は102年を迎えようとしています。それは先人たちが命を賭してまで守り抜いてきたものなのではないのですか?それが今や権力にしがみつく残念な一部の大人たちが運営している党として見られています。今こそ民主集中制を放棄する時です。西側諸国で民主集中制を採用しているのは、ポルトガル共産党と日本共産党だけです。だから廃止しろというわけではありませんが、民主集中制がないから党が即崩壊するとかそんなことはあり得ません。混迷極まる国際社会の中で、何が正しい道なのか一度決まったことでも、再び議論する価値は大いにあります。


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